駅名短歌
【osaka】
人混みで君を見つける技術だけ磨いてしまった梅田駅前
どこへでも行けると信じ佇んだ大阪駅の一番ホーム
きりきりと締めたネクタイ緩めては他愛無い愚痴淀屋橋駅
入口も出口もわからなくなって人に呑まれるなんば駅地下
待ちわびたチケット握り携えて響け大阪城公園へ
【kyoto】
階段を駆けおり硝子檻の中封じこめてよ京都駅ビル
今日はどの頂点目指してみようかと地図を千切った烏丸御池
宵闇のランプにぽつり照らされてただ待つばかり嵐山駅
四つ辻で笑顔の君に逢えそうな気がしてしまう地下鉄四条
「あなたなら鶯張りも要らないね」悪戯口調二条城前
【hyogo】
待ち合わせメールに「ノ」の字あったかと見返す神戸三宮駅
閉じこめて異国の過去の街並みに手を繋いでた新神戸駅
乗り換えるタイミングだけ知っている名も無いあなた尼崎駅
囁きの続き溶かしてカクテルに飲み干させてよハーバーランド
お生憎わたしの舞台は
【trip】
海と陸越えてキャリーにだけ縋る ひとりきり 新千歳空港
すれ違う人の笑顔が眩しくて夢の入り口未だ舞浜
「見上げても飛行機雲は追えないわ」関西国際空港ロビー
いつだって此処に向かってくるくせにすれ違うだけ東京駅で
待っていてすぐ抱きしめてあげるからひとり呟く新大阪で
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