歌集・孔

斜芭萌葱

空白に乾いた胸のあなに吹く時の流れに置いていかれる


恋しいと縋る相手も解らずに孔を抱えて座りこむ夜


知っている胸に居座る孔のこと見ない知らないふりをしただけ


「ねむりたい」「こわい」「さみしい」「かなしい」と衝動喚く胸の空洞


空腹は満たされたのに飢えているような気がする 孔を抱える


空白になりたい 胸の孔に吹く風の寒さを感じないほど




・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・ (虚無になりたい)

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