花びらいちまい
まだ咲ききらぬ桜の若木
地面に落ちた花びらいちまい
手のひらに
薄桃色の花びらいちまい
手のなかに
まだ肌寒い風 うしろから
手のひらまるめ ポケットに
なんとはなしに ほくそ笑む
刹那に背筋ぞくりとし
ポケットのなか 手のなかに
重さ 手触り なにもなく
たしかに僕は手のなかに
花びらいちまい持っている
失うことが怖いから
持っていない?はじめから?
確かめるのが怖いから
僕は手のひらまるくして
ポケット深く入れたまま
知らぬふりして歩いてく
大切な 花びらいちまい
壊さぬように
消えぬように
やさしくつよく握ってる
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