ハロウィン仕様~IFルート・ルディー×幸希編~

※過去に、WEB拍手で公開していたものです。


 ルディー

「うぅっ……何で俺だけこんな目に」


 幸希

「ルディーさん、そろそろ元気を出してください。そんなに悲観するほど、変な風にはなっていませんよ? 桃色の可愛らしいドレスも良く似合っていますし、紅のロングウィッグも、とても可愛らしくて……」


 ルディー

「似合ってるのも大問題なんだよぉ……っ」


 ――ソファーにて。幸希に膝枕をして貰いながら嘆いているルディー(笑)


 幸希

「でも、クジ引きで当たってしまったものは仕方ありませんし……」


 ルディー

「嫌だ!! もう無理!! 限界!! 姫ちゃんとせっかくIFルート仕様で二人きりなのに、女装姿で過ごすとか拷問すぎる!! 脱ぐ!!」


 幸希

「えっ、ちょっ、ルディーさん!! 駄目ですって!!」


 ――幸希の膝から起き上がり、急に脱ぎ脱ぎし始めるルディー。


 幸希

「あぁ……、全部脱いじゃった……」


 ――ラフな服装になったルディー。


 ルディー

「はぁ~、やっぱ男は男の服装が一番だよなぁ。ひ~めちゃ~ん!!」


 幸希

「きゃあっ!! る、ルディーさん!?」


 ルディー

「これで心置きなくイチャつけるぞ~!! さっきの服装のままだと、百合にしか見えねーからなぁ」


 幸希

「ゆ、ゆり?」


 ルディー

「んにゃ、何でもないない。さーて、姫ちゃん、イベントルールに則って、お決まりの台詞を言わせて貰うぞ」


 幸希

「は、はい」


 ルディー

「トリック・オア・トリート!! お菓子をくれないと、悪戯するぞ!!」


 幸希

「そう言うと思ってましたから、はい、これをどうぞ」


 ルディー

「お、さすが姫ちゃん。美味そうなクッキーだな。よし、じゃあ……、あ~ん」


 ――幸希の横に座ったルディーが、何故か口を開けて待機。


 幸希

「……え?」


 ルディー

「姫ちゃんの手から食べさせて欲しいな~っと。せっかくのIFルート仕様だし、甘々は必須だろ?」


 幸希

「他のルートの皆さんは、悪戯の方に興味津々みたいですけど、ルディーさんは何だか平和ですよね~……。ふふ、私にとっても心穏やかでいられて良いんですけど、はい、どうぞ」


 ルディー

「あ~ん、……もぐっ」


 幸希

「もう一個食べますか?」


 ルディー

「サンキュー。もぐもぐ……」


 幸希

(何事もなく過ごせそうで、何だかほっとするなぁ。他のIFルート仕様の私には悪いけど、ルディーさんルートの私は平和で良かった)


 ――ポン!!


 幸希

「え?」


 ――隣で急に大人の姿に戻り、

 ぺろりと舌先で指に付いたチルフェートを舐めるルディー(あ)


 ルディー

「御馳走さん。さて……んじゃ、時間も残り少ないし」


 ――ギシッ……。


 幸希

「え、えっと、ルディーさん? どうして、そんな楽しそうな眼差しを」


 ルディー

「忘れたのか、姫ちゃん? 今回のハロウィンイベントでのIFルートは、『甘々』仕様になってるんだから……なぁ?」


 幸希

「えーと……、こうやって一緒に過ごせる時間も、十分甘い、ですよね?」


 ルディー

「姫ちゃん的にはそうかもしれないけど、俺さ、一応健全な男だから、好きな子が傍にいるってのに何もしないのは正直……無理!!」


 幸希

「え、えっ!? きゃああっ!! る、ルディーさんっ!!」


 ――大人ルディー氏、幸希に全身でハグアタック!!(笑)

 幸希の心拍数が多大にアップ!!


 ルディー

「触れ合いなくして甘々なしってな! まぁ、言葉だけでも甘くはなれるんだろうけど、俺としてはこうやってくっついてるのが好きだから、すりすり」


 幸希

「ルディーさんっ!! お、落ち着いてください!! ほ、ほら、ハロウィンなんですよ!! 今度は私がお菓子を貰ったり、悪戯したり、って、きゃあああっ」


 ――幸希の耳をはむはむし始める大人ルディー氏。


 ルディー

「どっちかがやれば、ハロウィンのイベントはこなした事になるだろ? それと、やっぱ大人の姿になってる俺に対して、姫ちゃんの反応はわかりやすいな~。真っ赤になっちゃって……、色々したくなるんだけど?」


 幸希

「な、ななななっ、何をカインさん達みたいな事を言ってるんですか!! ルディーさんは、本編中でも良識のある優しい騎士団長さんじゃないですか~!! こういうのは良くありません!! 離れましょう!!」


 ルディー

「ははっ、すげー慌て具合だなぁ。可愛い可愛い。ま、あんまりやると姫ちゃんが気絶しちまいそうだから、今夜は、抱き締めるぐらいでやめとくかな」


 幸希

「ほ、本当……ですか?」


 ルディー

「あぁ。その代わり、姫ちゃんも俺の事、ぎゅっと抱き締めてくれよな?」


 幸希

「は、はい……」


 ――五分後。


 幸希

「ところで、前から思っていたんですけど」


 ルディー

「ん~?」


 幸希

「ルディーさんが大人の姿になると、やっぱりラシュディースさんとそっくりですね。顔つきも、この赤い髪も……瓜二つ。前にラシュディースさんにもぎゅっとして貰った事ありますけど、親子だからでしょうか? 同じ気配とぬくもりが……何だか安心します」


 ルディー

「……姫ちゃん」


 幸希

「はい?」


 ルディー

「さっきの前言撤回な?」


 幸希

「え?」


 ――ドサッ。(ソファーに押し倒される幸希)(笑)

 見上げた先には、笑顔ではあるものの、不穏極まりない気配のルディー。


 ルディー

「親父と俺は……別モンだからな? 姫ちゃんを愛してんのは、『俺』だし、他の奴と共有する気なんてない。そこんところ……、よぉーく姫ちゃんに教える必要がありそうだよなぁ?」


 幸希

「る、ルディー……さん?」


 ――その後、幸希は自分のうっかりな発言のせいで、

 ルディーからの手厚い愛情表現を受けたそうな……(笑)


 IFルート・ルディー 完。

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