ハロウィン仕様~IFルート・カイン×幸希編~

 ※過去に、WEB拍手で公開していたものです。


 ※イリューヴェル皇国第三皇子カインと幸希仕様のハロウィンです。カップリングが苦手な方、この組み合わせは受け付けないという方は、すぐに画面を閉じてくださいませ><;



 カイン

「よし!! IFルートのお蔭で好き放題出来るな!! 覚悟しろよ、幸希!! トリックオアトリート!! お菓子をくれなきゃ悪戯す」


 幸希

「はい、どうぞ」


 カイン

「……」


 幸希

「チルフェートクッキーですよ。さっき向こうで貰って来たんです。さぁ、どうぞ」


 ――狼男姿のカインが、一気に耳と尻尾を項垂れていく。


 カイン

「うぅっ……、お前、……空気読めよっ。今のは、お菓子がありませんって言って、俺に悪戯されるのがお約束だろうがよ~!!」


 幸希

「と言われましても……、レイフィード叔父さんが絶対持って行きなさいって、自分の分までくれたんです。焼きたてだから、とっても美味しいんですよ」


 カイン

「……お前、IFルートの意味わかってないだろ。もぐもぐ……、これじゃ悪戯出来ねぇじゃねぇかっ。でも、……これは美味い」


 幸希

「別にそんな、悪戯に拘らなくても……。パーティーまでまだ時間はありますし、一緒にお茶の時間を過ごしましょう? 私はカインさんと一緒にいられるだけで、幸せですよ」


 カイン

「うわー、悪意の全くない笑顔で言いやがった。……そりゃあな、俺だってお前と過ごせる時間が在るのは嬉しいぜ? だけどな……、せっかくのIFルートなんだぞ。もっと本格的にイチャつきたいんだっつの」


 幸希

「あ、カインさんの狼男の仮装部品って、本格仕様なんですね。ふさふさの尻尾が揺れて……あぁ、もふもふ」


 カイン

「聞けよ!! 俺の切ない男心をちゃんと汲み取れよ!! ……って、こら!! 尻尾触んな!! 感触が神経と繋がる術が掛けられてんだよ!! くっ、くすぐったっ!! やめろっつの!!」


 幸希

「だって、物凄くもふもふで触り心地が良いんですよ~。耳も触って良いですか?」


 カイン

「こらっ、お前全然人の話聞いてないな!! どんだけ動物愛に熱心なんだよ!! さ、触るなぁっ」


 ――暫くお待ちください。


 幸希

「ふぅ……満足です」


 カイン

「はぁ、はぁ……この野郎っ。本当に容赦なしで撫でまくりやがって!!]


 幸希

「可愛い恰好をしているカインさんが罪なんですよ」


 カイン

「はぁ……、クジ引きで当たった時は、何とも思わなかったが……。そうだよな。お前……動物好きのもふもふマニアだったな」


 幸希

「マニアって……、可愛い物は触りたくなるじゃないですか。今萎んでいるこのカインさんのお耳も、すごく可愛いです」


 カイン

「また撫でるのか……。もういい。好きにしろよ」


 幸希

「あ、尻尾が少し嬉しそうに揺れてますよ?」


 カイン

「気のせいだ」


 幸希

「ブラッシングしてあげたくなるもふもふ感ですよね~。……あ、そうだ。私もカインさんに言わないといけない事があるんでした」


 カイン

「あ?」


 幸希

「トリック・オア・トリート!! お菓子をくれないと、悪戯しますよ」(にっこり笑顔)


 カイン

「……ねぇよ」(ニヤリ)


 幸希

「はい?」


 カイン

「さっき全部三つ子共にやっちまったからな。すっからかんだ」


 幸希

「で……何で……嬉しそうに迫ってくるんでしょうかっ」


 ――カインの尻尾がフリフリと楽しげに揺れている。(笑)

   

 幸希

「か、カイン、さんっ。ちょ、ちょっと、ち、近いんですがっ、って、きゃああっ」


 カイン

「悪戯、するんだろ? ほら、やってみろよ」


 ――ソファーから落っこちた幸希に迫るカイン狼さん。


 幸希

「あ、あの……と、とりあえず、一度、は、離れてくだ、あああああ!! 何で私が持ってきたお菓子を放り投げるんですか!!」


 カイン

「決まってんだろ。お前の悪戯が終わったら、今度はまた俺の番だからだよ。次はもう俺に差し出せる菓子が手許にねぇからなぁ……。思う存分、……悪戯してやるよ?」


 幸希

「そ、そんなの、ズルイじゃないですかあああ!!」


 ――こうして幸希は、狼仕様のカインによって、逆もふもふをされる事になった。(笑)


 IFルート・カイン 完。

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