異世界人


 宇宙人と地底人が地上を歩いていると、コスプレ巫女(下がスカート)のような格好をした人物がいた。

「あれは、この星の住人か」

「オイラも、この星の住人だけどなー」

「そうだったな」

「おい、そこの地上人ー」

「ああ、この世界の方々ですね?」

「この世界……?」

「まるで、異世界から来たような言い草だなー」

「はい。ボク、異世界から来ました」

 宇宙人と地底人と異世界人の会話が成立しているが、その辺の理屈はスルーで。

「地底人の次は異世界人かよ」

「そう言うお前は、宇宙人だけどなー」

「地底人さんと宇宙人さんですか。困りましたね……。地上人さんに用があるのですけど」

「用って、どんな用だ? 魔王を倒す勇者でも探しているのか?」

「いえいえ。ボク、魔王軍の人間ですし」

「こいつ、悪い奴なのかー」

「そう言うお前も、侵略者だけどな。オレも協力することになったんだけど」

「侵略ですか。困りましたね……。この世界の半分が、魔王様の所有物になるはずだったのですけど」

「世界の半分?」

「はい。実は、魔王様と勇者の間で、こんなやり取りがありまして──」


 勇者「俺の世界の半分を、貴様にくれてやろう! だから、命だけはお助けを!」

 魔王「うむ。オッケーである」


「おかしくない? 普通、魔王が勇者に『世界の半分を~』じゃないのか?」

「魔王様が、そんな事言うわけないですよ。『余の物は余の物。貴様の物も余の物である』が信条の御方ですから」

「さすがは魔王だなー」

「そういうわけですから、この世界の半分は魔王様の所有物なのです」

「残りの半分は、オイラたちがもらうぞー」

「半分でいいのか?」

「いいぞー」

「お前がいいなら、いいんだけどさ」

「それでは、一緒に侵略しましょう」

「そうだなー」

「男3人旅ですね」

「「男3人?」」

「ボクも男ですよ?」

 巫女服(?)をはだけ、真っ平らな胸を見せる異世界人。キレイなピンク色の乳首だった。

「男……だよな?」

「ついてますよ」

 異世界人がスカートの裾を上げる。

 パンツが見える。

 ちょっとだけ、もっこりしてた。

「本当に男だったのか」

「女だと思ってたぞー」

「さあ、侵略の始まりですよ」


 かくして、宇宙人と地底人と異世界人による旅が開始された。

 はたして、地上侵略の旅となるのか、ただの旅行になるのか──。

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