第15話 目指せ!!一人暮らしの上級掃除術
ここまでは、いわゆる、オタクの人向けの入りやすい掃除道をテーマに書き進めました。しかし、人として暮らす上では、逆にどうしても避けられないながら、テーマから外れていたために敢えて書いていなかった掃除ポイントも存在しています。
もしかしたら、需要はないかもしれないと悩んでいましたが……
この辺りのポイントを聞きたいという一人暮らしのオタクの方々のリクエストを受けましたので、今回お披露目したいと思います。
名付けて、「一人暮らしの上級掃除術」!!
オタク向け、初心者向けという主眼からは少々離れてしまいますが、お付き合い頂ければ幸いです。一人暮らしと題してはいますが、主婦の方にも使えるノウハウだと思います。
※今回は汚染地域掃除ということで、割とガチな表現を使っています。お食事中の方はできるだけ、食事の後にご覧ください。
まずはキッチンのシンクから行きましょうか。キッチンの中で、湿気と汚れの二大汚染をコンロとともに浴びやすいシンク。食器洗いはするかもしれません、でもシンクそのものは掃除した事がありますか……? シンクは、特に排水溝が問題になります。だばだばとカレーやら何やら流していると、やがて目詰まりして汚水があふれ……ということになっていませんか?
大体の方はそこで排水溝の蓋を外し、目詰まりの原因の生ごみを拭い取り、生ごみ袋に入れて終わる方が多いと思います。
この時点で「信じられない!!」と思う方、その方はおそらく、この後の処理もちゃんとやっておられるのでしょう。ぜひ続けてください! しかし、ここまでで終わってしまって早1年以上の方。深刻です。先に進みましょう。一緒に何が問題かを考えていきたいと思います。(※1)
(※1)……こんな人はいない、とおっしゃる方もいるかもしれません。しかし、個人的に私の周りではですが、一人暮らしのオタク男性ほど、これができてない方々は本当に多いのです。
まず、上記の事で終わると何がまずいかをお話しますと、かなりの確率で排水口から異臭が漂ってくると思います。それは、排水溝の壁周りや汚れを受け取る籠のようなものにこびりついた、「残った生ごみの汚れ」の臭いです。
臭いの元は雑菌の繁殖である事を、第4話で書いたと思います。まさにそれで、この汚れに雑菌が繁殖し続けているわけです。
そこで、どうすればいいのか。汚してよい専用の安いスポンジを用意し、洗剤を付け、そういった籠や排水溝の中までを泡立たせてガスガス洗って下さい!
おそらく、初めて挑戦する方は、物凄い嫌悪感を持つかもしれません。しかし、それも一時の事。意を決して「えいやっ」と泡立たせてゴシゴシ、洗い流してみると、なんということでしょう。そこには、異臭の消えた美しい排水溝と籠が現れるではありませんか!! ついでに、シンクそのものもそのスポンジで洗ってしまえば満点です。(気にする方は、シンク用と排水溝用にスポンジを分ける方もいます)
汚れを取り除いたのだから当たり前だと言われるかもしれませんが、なぜか、なぜか、これが出来ていない方があまりにも多く、今回書き連ねる事にしたのです。とあるどなたかの写真で、排水溝からキノコが生えてきた、なんてものも……。
一人暮らしをするという事は、お母さんがやっていた事を自分がするという事。
さあ、母を崇めよ、奉れ!!
少なくとも、私は家を出て主婦になってから、母の偉大さが心底身に染みました……!!
さて次は、コンロです。コンロもひどい事になりがちです。ここには油も加わって、放置しているととんでもない異臭、ついでにイニシャルGが誘われてきたりします。これでは非常によろしくない。
そこで取り出す便利道具は、近所のドラッグストアで売っている消毒用アルコールと、スプレー型ボトル(アルコールを入れても問題ないもの)、そして水道水。消毒用アルコールを水道水で適当に薄めて、ボトルに入れます。これをコンロに吹きかければOK。少しだけ待つと、油が浮いてきて、洗剤など使わなくても手軽に掃除できますし、洗剤を買うより安くつきます(炎や熱に十分注意する事、自分が燃えます)。掃除の際は、捨てられるウェス(使わない衣服やタオルを切ったもの)を使うとより経済的。
初心者としてはここまででも良いと思います。しかし、もう少し踏み込みたいなら、魚のコンロ中の掃除もすると良いでしょう。魚の油でべったり&臭いがつきまとっていますからね。ただし、コンロの中は大体、複雑な機器が入っている事が多いので、ケガに気をつけてください(経験者は語る)。
また、コンロの掃除は結構油で酷い事になりがちですので、使い捨ての諸々で対策してしまうのも良い方法です。よく、お母さんが料理するときに、周りに銀色のシートを使っていませんでしたか? また、コンロの五徳部分やコンロ下にも銀色のシートのような何かを挟んでいたり、敷いていたと思います。それこそが対策です。
これに関しては、本当に生活の知恵だったのだなと、掃除してみると実感する事でしょう。母の知恵に深く感謝し、ぜひ近所のスーパーに足を運んでみてください。
次に、風呂場。ここも結構、カビと湿気でえらい事になりがちです。まず風呂場用のスポンジと、専用洗剤ボトルを用意し、スポンジに洗剤を付けてガシガシ洗う作業から始まります。
それは風呂桶だけ?
いいえ。風呂場全体です。
……と書くと、大分モチベーションが下がりそうですので、ポイントだけ列挙しますと、まずは床です。湿気が堆積しやすい下の部分は、特にカビの餌食になりやすいです。そこを、スポンジでダイレクトアタックして下さい。シンクの排水溝と同じで嫌悪感が生じてしまうかもしれませんが、これも一時の事。いざガシガシ洗ってみると、意外と洗い流したときに綺麗になっていて、ちょっと気持ちよくなりませんか? ついでに、(使用しているならば)バスマット裏も洗っておくと良い感じです。
次に、壁。下の方のタイル壁の場合は余計に、タイルの溝にカビが黒く点在している事が多いと思います。これについては、まずはスポンジでガシガシ。それでダメなら、カビ◯ラーをブシューッとしてしばらく置けば綺麗になります。(ただし発生するガスは体に毒なので、商品説明をきちんと読んで使用して下さい)
そして最後に、そして最重要なのが、最後に流れ着く排水溝です。ここも結構酷い汚れというか、大体は流れついた毛で酷い事になり果てていますし、石鹸や皮脂などが絡まって、放置していると異臭&虫の温床になります。そういった汚れは拭い取って、綺麗にしてあげてください。ビニール袋に手を突っ込んで、そのまま掴み、ぐりっと袋を反転すると簡単に取り除く事ができます。
……あれ?
今書いていて気付いたのですが、これって結局、風呂場全体じゃない?
そうなのです。全体って、結局この程度なのです。意外と皆さん、お風呂というとまるっと全部という考え方が先に立ってしまうようですが、実際はポイントだけ押さえれば、それほどでもない面積なのです。
さて、最後は……はい、トイレです。汚れのまさにクリムゾン・キング!!!
排泄の場なので仕方ないっちゃ仕方ないと思いますが、割とここが億劫で、掃除できないと思う方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、放置すればそれこそ大惨事。
さあ、コツを覚えて、レッツ☆クリーン☆トイレット!!
トイレ掃除の基本は、便器の中へ洗剤を投入し、ブラシをガシガシとこすって、ジャーっと洗い流して終了。……という認識の方が、結構多い事に困惑しています。違いますよ! トイレ掃除はこれだけだと、しばらくして異臭が漂う汚染地域に変貌します…!!
というわけで、清潔な綺麗なトイレを目指して、足りない所を書いてみます。
まず、便器を拭く事が大切です。手軽なのはやはり、使い捨てのウェット紙タオルのようなもの。少し厚手のものですね。または最近出ている、トイレットペーパーがそのまま破れずに便器を拭けるものもオススメです。
なぜこれをする必要があるのか?
実は、特に男性は、小用するに辺り結構な確率で周りに散らしてしまっています。まさか、と思う方もいるかもしれませんが、それならば、便器の周りを見てみてください。黄色い、または橙色、茶色に変色したりする箇所がありませんか? そここそ、小水の散ってしまった場所なのです。いやホントに。
そして、ここを除去することをおろそかにすると、雑菌繁殖による異臭発生源になってしまいます。いやホントですって!!
というわけで、それらをあまねく取り除くべく、便器を拭く作業に入ります。基本的には、上から下へと拭いていきましょう。これは便座だけではなく、全体です。つまりは、洋式の場合、水シンクから拭いていくことが大切です。そして、蓋、蓋裏、便座、便座裏、そして便座下、最後に壁と床……と移動していきます。特に蓋と便座の間部分や、壁、床は意外と汚れが散っていることが多いので、拭いておくことが大切です。
後はブラシでの便器掃除をするだけで、大分見た目も変わるのではないでしょうか? 女性一人ならここまで汚れないかもしれませんが、拭いておくのは埃も除去できますので、悪いことではありませんよ。
そして忘れてはいけない、トイレマットと便器カバー。できれば洗い替えを用意し、気兼ねなく洗えるようにしましょう。(結構これも、放置してしまってる方がいますね…)
はい。
一通りご紹介しましたが、いかがでしょうか?
「こんなにやれるか!!」
確かに、ズボラな方ほどそう思うかもしれません。そう思いたくなることも請け合いです。これだけ多い上に、結構不潔な所を掃除していかなければなりません。
ですが。ここで、絶望的な一言を言いましょう。
「暮らす上で、これらはすべて必要最低限なことです」
いえ。ホントなんですってば!!
私だってズボラな方です。出来るだけ省いてお伝えしたかったですよ! でも、どう読み返しても、ここまでは本当に最低限でした!! すみませんでしたぁぁ!!(土下座)
いや、正直私も、当時は信じられなかったですもん。一人暮らし始めた時から、または嫁生活が始まってから、こんなに暮らしの上で、不潔で辛い場所に着手しなければならないのかと。どんだけお母さんはやってきたんだと。最初にこれらを書かなかった理由が、これで分かってもらえたかと思います。モチベーション、下がりますよね……うん……分かりすぎて心が痛いです。
でもね。一人暮らしってそういうことなんです。我々は生きている以上、汚しながら生きざるをえないのです。だって、それが生きた痕跡なんですから。仕方ないことなのです。
とはいえ、私もこれらをいきなり全部やれとはいいません。普通にこれらを掃除する人でも、全部一度にはやりません。大変だからです。だからこそ、まず今日はトイレだけ、お風呂だけ、それもお風呂の一部だけ、というように、ひとつのエリアだけに集中させてやってみると良いかと思います。
いいんです、やらない方が問題なんですから!!
本当はまだ、洗面台や電子レンジの中などもあったのですが、ひとまず最低限をご紹介することに徹しました。一人暮らしの皆さんに、少しでもお役に立てたら幸いです!
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