上へと

絹奈すはる

 

虹色の光を纏って

吐息を抱えて

風の流れに任せて

上へ 上へ


溶けて燃え尽きるほどの暑さでも

嫌になるほど野蛮で野生的な自然の真っ只中でも

無我夢中でデスクワークしている合間でも

殺し合いの向こう側でも

瓦礫に打ち拉がれた感情の隙間でも

姿形も変えようとせず

たえず平等に浮かぶ

上へ 上へ


その存在を忘れて

空気に還ってしまっても

何か思うことがあって

何も無いその先に手を伸ばすように

上へ 上へ


願いを封じるには

あまりにも淡い

虹色の光


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上へと 絹奈すはる @chinnens

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