刺激ある毎日に

ITATI(イタチ)

第1話料理

「悠斗(ゆうと)ー腹減ったー」

「なんか作ろうか?」

「お!良いねぇ」




「さて、んじゃあ雅(まさ)は何が食べたい?」

「何でもいいよ」

「その答えが一番困るんだよなぁ……」

「本当に何でもいい」

「んじゃあ扇風機とかは?」

「そういう意味の何でもいいじゃない」




「じゃあ何がいいかなぁ…」

「んじゃあ魚が食べたい」

「魚かぁ……そういえばあれがあったな」

そう言って悠斗が冷蔵庫をゴソゴソとあさり始めた。何が出てくるか待てないので聞いてみることにした。

「ところで魚って言っても何使う気だ?」

「え?かまぼこだけど」

「確かに魚だけど!何か違う!」

「じゃあちくわとか」

「なんで練り物なの!?そんなので腹満たされないと思うけど?」

「そっか…………1から作ろうと思ったのに」

「時間かかるわ!なんであえて1から作ろうと思ったの!?それなら出来上がり買った方が早いじゃん!」

「文句多いなぁ」




「魚はやっぱいいや、肉が食べたいです」

「肉ね、種類は?」

「んーと、じゃあ豚で!」

「分かった、それじゃあ行ってくる」

「待て待て待て、どこいく気だ」

「養豚場」

「なんで次は原材料から調達しに行くの!?時間掛けないと料理出来ない病気にでもかかってるのか!?」

「一狩り行こうぜ」

「ハンターみたいな事言ってる暇があるならキッチンで料理作ってくれ!」

「文句多いなぁ」

「言いたくもなるよ!」




「肉もやっぱいいや……」

「それじゃあ何がいい?」

「それじゃあ無難に白ご飯と味噌汁で」

「オカズとかは?」

「いや、大丈夫」

「分かった、ちょっと待ってくれよ〜」

凄い心配なので悠斗の料理風景を見ることにした。



「えぇ〜と、まずは何するかな」

何でもいいよ、というか何で包丁持ってんの?俺が言った料理で包丁使う所そこまでないぞ?

「まずお米を炊くか」

普通で良かった。

「4合ぐらいで良いか、残っても冷蔵庫にラップしてれば良いし」

なかなかやり慣れてるようで安心した。その感じだと美味しいご飯が食べれそうだ。

そう思い雅はリビングに戻った。




「出来たぞ〜」

「やっとか」

待つこと30分、料理が出来たらしいのでスマホを机に置き持ってきてくれるのを待つ。

「お待たせ〜」

そう言って悠斗が持って来た料理を見て

「どうしてそうなった」

「え?」

「何でだよ!最初のご飯炊く所でやり慣れてる感出してたじゃん!なのに何でこうなるの!」

「何のこと?」

「まずご飯が赤く染まってるのがおかしい!赤飯の赤さでは全くない、何したんだよ!」

「唐辛子練ってみた」

「練っちゃったよ!結局練るのかよ!それだったらかまぼこの方が数段マシだったよ!と言うか唐辛子をご飯に練るなよ!」

「いや〜、美味しいかなーと思って」

「思い付きでやるなよ!」



「分かったよ〜そんなに怒るなよ〜」

「怒ってるんじゃない!驚きすぎて頭が追いついてないんだよ!」

「そんなに喋って雅お腹減らないの?」

「ペコペコだよ!だからちゃんとした料理作ってくれよ!」

「それだったら自分で作っていいよ?材料とかも使ってくれていいよ」

「え、いいの?」

「いいよ」

「じゃあ遠慮なく」

「僕先に食べとくから」

「え?」

そう言って悠斗の前にはアジの開きや焼かれた豚肉などがズラリと並んでいた。

「それ作ったの?」

「うん」

「俺のは?」

「作ると思ったら大間違いだよ、雅」


それから悠斗の家に来てお腹が減ると自分で作るようになりました。



おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る