紅 「月」×三

貴方の向こうに見えた月は少しの陰もなくて

まるで私を哀れむように輝いていたわ

ああ 貴方の嘘が聞こえる

今日は優しいのね

愛してるとは言ってくれないけれど


* * * * * * * * * *


待ったりなんかしてないわ

期待なんかしてないもの

ただ月が綺麗だったから

少し立ち止まっただけ


* * * * * * * * * *


壊れそうな願いを抱いて

闇に沈む月を見上げる

遠く離れた彼方に想いを馳せながら

何もいらないのに。君がいるなら

壊れた心を抱き締めて

空虚な帰り道を歩く

全て満たされていたあの頃を思い出しながら

何もいらないのに。君がいるなら



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