部屋の外

破死竜

部屋の外

 私は、家にいるとき、夜の間はカーテンを閉めドアには鍵をかけている。だから、部屋の外から入ってくるのは、音だけなのである。


 その音を、私の知らないモノが鳴らしていたとしたら?

 聞いたことの無い音が突然鳴ったとしたら?


 それは、そのことは、”部屋の外が異世界になっている”、ということにはならないだろうか。

 そして、私は、そうなることを望んでいるのだろうか? 無論、なって欲しくない異世界はあるだろうが、今私がいるこの世界でなくなってしまう、ということ自体に、不満をあるいは不安を感じるだろうか?


 そう、私はどこかで期待している。この現状への不満と欲求が、私を、私の部屋を、どこか違う世界に繋げてくれるのではないか、と。



 終わり

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部屋の外 破死竜 @hashiryu

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