2-1-5) 拠点への帰り道
※筆者より
題名の形式を変えることにしました。前までの形式だと完全にネタバレなので...
では、続きをお楽しみください!
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
村を出た俺達は、だいたい方角を定めながらもいろんなところを見て回った。バイオームと言ってMinecraftには様々な地形が存在するが、その中でも氷原バイオーム、山岳バイオーム、砂漠バイオームなどを見て回った。
氷原バイオームは雪が舞っていて、少し涼しい場所だった。The 白銀の世界 って感じですごく綺麗だったのを覚えている。
「わぉ!カイ兄、雪が降ってるよ!」
「ここじゃ雨じゃなくて雪がふるんだな」
「でも全然寒くないね〜」
「暖かい服の概念がないからね、助かるよ」
「雪も掘れるのかな?」
「スコップで掘れるはずだ。少し持ち帰ろうか」
「雪だるまつくーろー♪」
「おぃおぃ...」
ところ構わず雪を掘り続けるロゼを片目に、俺はマツの原木と苗木を確保しておいた。これで建築の幅が広がりそうだ!
FPS好きなロゼは雪合戦用の雪を、建築が好きなカイは建築材料となる新しい種類の原木と苗を入手したのだった。双子なのに全く正反対の性格である。
氷原バイオームを抜けた先は、とても高い山の連なる山岳バイオームだった。
飛び降りれば確実に死ぬであろう高い崖が幾つもあり、Minecraft界屈指の危険エリアだ。ここよりも危険なところも多いが、初期のうちから訪れられる場所としてはここ以上に危険な場所は無いと言っても過言では無いだろう。異論は認めるが。
ロゼは高い所に登りたがったが、俺が「バカと煙は...」と言ったらとたんにおとなしくなった。だが登らないのももったいないので、安全な場所を探しつつゆっくりと登ってみた。俺もバカなのかもしれない。
「いや〜眺めがいいねぇ」
「結構遠くまで見えるんだな、あれがさっきまでいた氷原バイオームか」
「なんか境目が不自然だね」
「だな」
「お、カイ兄、あっちには砂漠があるよ!」
「おお、砂漠か」
「サボテンとかある!らくだいるかなぁ...」
「流石にらくだは実装されていないんじゃないか」
「なんだぁ、残念...」
周りを一通り見回した後砂漠に向かって山を降りた俺達は、誘い込まれるように砂漠へと足を踏み入れた。
予想していた通り、体感温度が少し上がった。それでも春にお天道様の下にいるようなぽかぽかしたような温度だ。昔はこのような砂漠が地球にもあったらしいが、今は砂漠はほとんどなくなっている。てか大陸の大部分が砂漠とかあったらしいが想像できない。どうやったらそんな大きな砂漠ができるんだ?
あまりの暖かさに眠くなる...わけではないが、心地いい気分だ。だが周りを見渡しても木が生えてないので一面砂、砂、砂。砂のオンパレードだ。
「サボテンって食べれるのかなぁ」
「流石に無理なんじゃないか...」
「じゃあ何に使えるんだろう?」
そう言われた俺は早速ネットで検索をかける。調べようと思った瞬間に目の前にディスプレイが表示されるのはまだ慣れないが、とても便利なものだ。
え〜っと......
「防護壁、後は染料だね」
「防護壁か〜」
俺としては染料としての役目が気になるところだ。羊毛などを緑色に染色できるのだろう。
「後は"ゴミ箱"だってさ。まだ俺達には必要ないだろうけど」
「まだ捨てるぐらいアイテム持ってないもんね〜」
「まあ一応回収して増やしておこう。いつ使うかわからないし」
「だねー」
そんなことを話していると、あるものが見えてきた。
「何だあの建物...?」
「明らかに自然の地形じゃないね〜」
「あれが"ピラミッド"ってやつか」
「お宝あるんでしょ?楽しみ!」
「楽しみだな」
ピラミッド。噂には聞いていたけど初めて見た。そのピラミッドの入り口は俺たちを暗い中へと誘うように口を開けていた。
松明で湧き潰しをしつつまずは入り口のフロアを確認する。クモが一匹いただけで、ロゼのダイヤ剣で簡単に対処できた。
そして、問題の地下。
「中はくらいね〜」
「どんな罠があるかわからないから、勝手な行動はするなよ?」
「私だってそこまで馬鹿じゃないよ」
「まずはこの穴から見える範囲で確認だ」
フロアの中央にあった穴......そこは地下への入り口だった。入り口と言ってもハシゴがあるわけではなく飛び込み式だ。そこから降りれば普通にダメージを食らうだろう。
「見た感じ、罠っぽいのは見えないなぁ」
「本当?大体こういうところは罠があるのがセオリーなんだが...」
「あ〜あった。感圧板が真ん中にある。このまま落ちたら何かしらの装置が作動するはずだよ」
「やっぱりか。多分......ドッカーンだろうな」
「そうだよね〜」
「じゃあ"俺が"その感圧板を避けるように降りていこうか」
地下でダイヤを取ってきた時のように、ロゼの荷物を俺が預かってロゼが下に行く...なんてことはさせまいと、俺は開口一番にそういった。
このままだと兄の威厳があったもんじゃない。大丈夫、俺はそこまで運動音痴じゃないはずだと言い聞かせながら、ピッケルと木材と松明だけ持って降りていく。
無事に感圧板を避けて降りた俺はまず危険な装置が作動しないように感圧板を撤去。これが一番ヒヤヒヤした。そして松明で周りを明るくして...
「宝箱が4つか」
「何が入ってるのー!」
上からロゼが叫んでいる。俺は宝箱を一つずつ開けていった。
一つ目
骨6個
腐肉5個
金インゴット2個
二つ目
骨3個
腐肉1個
鉄インゴット3個
ダイヤの馬鎧1個
三つ目
骨5個
腐肉1個
エメラルド1個
四つ目
骨2個
腐肉4個
サドル一個
金の馬鎧一個
「ダイヤはなかったけどサドルがもう一個と馬鎧が二つあったよ〜」
「えー残念」
「まだ良い方だと思うけどね」
「やっぱりダイヤ欲しいじゃん?」
「まあそうだけど...じゃあ上がるね〜」
「あ、その前に!」
ロゼはあるお願いをしてきた。
「その床の下の装置調べてきて!」
「えええええ〜......」
なんと、危険(であろう)装置を調べてこいというのだ。何が起こるかわかったものじゃない。
「俺が死んでも知らないぞ...」
「その時はアイテム回収しておいてあげるから!」
正直嫌だったが頼まれたものは仕方がない。ということで床をピッケルで掘ってみた。
すると、床下にはTNTという爆弾が隠されていた。感圧板を踏むとこの爆弾が一斉に爆発したんだな.....と考えると背筋がゾクッとする。
結局TNTも回収した俺はブロックを積んで地上へと戻ったのであった。
地上に戻り砂漠をひたすら歩いていると、砂漠の終わりが見えてきた。その先は...
「あれ?」
「おかしいな......」
見えたのは先程訪れたばかりの、氷原バイオーム。
「砂漠は景色が変わらないからいつの間にか戻って来ちゃったのかな」
「え〜、ちゃんと帰れるの?」
「どうだか」
「......」
その後、砂漠をひとしきり歩いてみたが一向に平地バイオームが見えてこない。確かこの砂漠バイオームは拠点のある平地バイオームの北側だったよな...
そして......
俺たちは......
砂漠で遭難した。
「遭難って、ちょっとぉぉぉぉぉぉおおおお!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます