第7話

 <深夜ラジオは、たしかに笑福亭鶴光の時代から、「下ネタあってのもの」とい われています。しかし下ネタだけが深夜ラジオの本質なのでしょうか。たとえば某ラジオのパーソナリティであるお笑い芸人は、テレビ番組でのキャラクターとはまったく違う語り口で僕達に迫ります。スポンサーの週刊誌の悪口を言ったり、ありえないことがしばしば起こります。しかしこの「過激さ」は、パーソナリティの「真剣さ」あってのものではないでしょうか?>


「どうでしょうか部長」

「愚直な記事だ」

「……?」

「カタいけど、素直で良い記事だってことだよ」

「ヤッター!」

 思わずバンザイをした。副部長がくすくす笑っていたが、上品なくすくす笑いだった。僕は初めて、部長に記事を褒められたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る