一つだけ願いが叶うとしたら?

ある時、ある人が人々に問う

      一つだけ願いが叶うとしたら?


ある人は答えた。

       一生遊んで暮らせる程の金 と嬉しそうに


ある人は答えた。

   食うに困らない金とお腹に手をあてて


ある人は答えた。

  美しい環境をと幼いわが子を抱きしめて


ある人は答えた。

 明日生きるための何かとボロボロの身体で


ある人は答えた。

人が無差別に死なない世界をと傷だらけの体で


ある人は泣きついた。

平和な日常が欲しいと銃撃に空爆に怯えなくていい日常が欲しいと



人の願いは環境や生まれた時代によって全く違ってくる


戦争を知らない人 と 平和を知らない人


                

平和に生きる人 と 戦場に生きる人


同じ考えである筈がない。  同じ望みである筈がない。


神だとしても全ての願いを叶えられるわけがない


一つの淡い、今にも消えてしまう希望でしかないのだ



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る