嘘は守ってはくれない

 ”間違えた”


俺は一瞬でそう思った。    忘れていた


言葉は、とらえる人物によって意味が大きく違ってくることを


時間は戻せない


吐き出した言葉を飲み込むことはできない


ツキンッと頭の奥に何かが刺さった


俺は知らない

  すべてを元に戻す魔法を

       俺は無知でひどく無力である


逆らうよりも見なかったことにして蓋をして後ろを向いて


      いつもそうしていた


笑みを浮かべ何でもないように演じる

頭の奥に刺さった何かの痛みがなれるときまで


気は抜かない     後ろは向かない

 俺の嘘の笑みに気付く人などいないのだから


今までそうしてたくさんの物を失った       

それでも俺はやめない


俺の後ろにはたくさんの蓋をされたものがある


俺の手からまた一つ零れ落ちた



この痛みはどれくらいでなれるのだろうか?




続く

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