第三十六話 豆の上
貧相な身形なのに、自分を姫だと主張する若い女。
王子は、本当に姫なのかどうかを確かめるために、何枚も何枚も敷き詰めた羽根布団の一番下にえんどう豆を一つ忍ばせ、女を休ませました。
翌朝、王子は女に尋ねます。
「姫、よく眠れましたか?」
「いいえ、一晩中背中に硬いものが当たって、痛くてよく眠れませんでした」
王子は確証を得ます。この女性こそ、間違いなく本物の姫だと。
ですが……。
「姫。あなたは、私に何を望んでいるのですか?」
「あなたと結婚すること、です」
「それは構いませんが、あなたは豆の上ではなく、針の筵の上に寝ることになりますよ?」
◇ ◇ ◇
些事を気にすると全てが
【 了 】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます