第2話記憶

「おーい!こーた!!」

街中と言ってもしらけたシャッター街を1人Twitterを見ながら歩いていたら懐かしい友人声をかけた。別に俺からしたら高校の頃そこまで遊んだわけでもないし何をしたのか覚えてないけどとりあえず話したことはあるっていう友人レベル。友人五段ピラミッドでいうと下から2番目くらいかな。最下層は「そういえばこの人同級生だった。でも、顔と名前が一致しない」ていう感じ。

「地元かえって来てたんだ。」

「帰ってきたっていうかだいぶ前からここいるから。んで、あんた何でね?」

「春休みだからよ!」

「なんかあまり話したことのない人と長いこと話すのは疲れる。それになんでそんな軽い口調なんですか。大学生デビューですかこの野郎」と思い面倒くさくなったので一旦その場を別れた。

仕事を終え、携帯を開くと不在着信が3件ほどたまっていた。全部同じ電話番号。どうせ身内かだれかだろうって他の人は思うかもしれないけど知らない電話番号は折り返さない。前に1度、知らない電話番号だったけど出てみたらおじさんの声がして

「こうたさんですよね。いろいろと情報がありますのでご自宅お伺いしますね。」

一瞬だれですかって思ったけど俺の名前フルネームで言ってきたから

「なんで名前知ってんですか?誰ですか?誰ね?あんただれ?」

そう言ってる間に電話は切れていた。

あとになってから知ってるおじさんが誰かの携帯で俺に電話してたらしい。冗談抜きであれは怖かった。それからというもの知らない電話番号はでない。それに登録してない電話番号は着信拒否の設定にしている。

しばらくして俺の仲のいい友人五段ピラミッドでいうと上から2番目のやつが知っていて掛けなおしてみたら昼間あった大学デビューだった。そん時名前思い出せなかったから「大学デビュー」ってことにしよう。

「もしもし、なんのようね。」

「いや、ちょっとね大学で医薬品の勉強してんだけど、」

「ふーん。それでなに。」

「難しいね。」

一体、何を伝えたかったのか分からないまま電話は終った。3日ほど経つとそいつから今度は「日本社会の勉強してんだけど」っていう内容のラインが来た。なんか怖い。「今、玄関の前にいるよ。今、あなたの後にいるよ」みたいな感じ。それからそいつのあだ名を「メリーさん」もしくは「メリーデビュー」と名付けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る