48時間と走馬灯

ほくろ唄

第1話点滅

「ピッピッピッ......」

点滅する音が一直線になった。

嵐のあとの静けさ。屋根が飛び木が倒れそれを驚きと悲しげに眺める人たち。その人たちの前には今まで生きていた残骸。俺は未だに分からない。感覚はまるで金縛りにあったかのように全身は動かず今回ばかりは目も動かすことができない。でも聴こえる。俺が今どういう状況にあるか、どういう影響を与えているか。それを俺自身含め周囲はどうすることもできないのが現状。

「明日だね。」

「とりあえず知らせるのが先だろ。」

「仕事休みとらないといけないわ。」

「でもさ・・・。」

その会話も全て聴こえている。

「ちょっと待って。さっきまで頑張れとか励ましの言葉言ってくれてたのに終わったらあっさりですか。あなた達はめっちゃ彼氏欲しいとか言って付き合ったら別れてを繰り返してる女子ですか。」

そして、ふと気づいたことがあった。心臓は止まってるはずなのに脳は機能している。余った血液が微かに流れているのか、それとも機械の誤作動により脈は流れているが医者がそれに気づかず「死」を断定したのか。

ここから始まる48時間。それまでにこの金縛りを解くことが出来るのか。必死に内なる牢獄から脱獄をする計画を立てた。

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