第17話方言(訛り)
方言萌えとかありますが。私は萌えません。
NHKも不思議といえば不思議です。アナウンサーは東京で、NHK標準アクセントを訓練しているのに、地方局だとアナウンサーでも微妙にその地方の方言の雰囲気が入ってたり。あれはわざとなのかどうか、興味があるところです。
あとNHKで驚いたのは、地域や地方ローカルのニュースで野球なんかのチームの話題が出たときには驚きました。「NHKがそういうのやるの!?」と。
誰とか、どれを例にあげるのがいいのかは悩みますが。ハリウッドの映画は、英語の方言をうまく使っています。登場人物の方言だけで、どこ出身で、どういう社会階層でというのがスパ!っと見えます。
あるいは、第9地区とかのニール・ブロムカンプ監督。SF魂あるいはハードSF魂を持った作品を作り続けています。ですが、あまり日本ではそういう評を見ないのですが、言葉にも強いこだわりを持った人です。わかりやすい例をあげます。
第9地区では、ギャングが使っている言葉。アフリカには舌打ち音を言葉の
エリジウムでは、シャールト・コプリー(相棒ですね)が演じた傭兵が使っていた言葉。あれは南アフリカの一部で使われている訛りがとても強い英語です。
チャッピーでは、ヒュー・ジャックマンのオーストラリア訛りをいかしています。
方言萌えなどぶち壊す使い方です。
方言と言えば、日本の小説などでよくみる「〜なのじゃ」というようなのがあります。これ、ただの老人言葉と思っている方も多いでしょう。違います。薩長方面の方言由来のものです。例えば古典落語を聞いてみましょう。まぁ中にはご隠居が「なのじゃ」を使っている例もあるかもしれませんが、だいたいは使ってないはず。だって、明治期から薩長方面の人が偉いさんになって、偉い人→偉いといえば老人→老人言葉(と思われてる)となっているんですから。
まぁ、東京生まれ東京育ちのご老人と話してみれば、そんな言葉遣いはしないとすぐにわかるでしょうけど。
というわけで、老人だからという理由で「なのじゃ」としている方、全部書き換えましょう。
方言を使うなという話ではありません。ブロムカンプ監督ほどにというのは無理だとしても、ハリウッド程度には使うのでなければ、方言を使う意味がないということです。出身地だけでは甘い。その人の社会階層や世界観が見える使い方でないと、なんの意味もないということです。
参考までに書いておくと、方言にはこういう区分があります:
+ 地域
+ 社会階層など(なんらかのグループも含みます)
+ 時代
もちろん、誰かが使う方言は、これらの要素がミックスされたものになります。ですが、それをうまく使うと、オーストラリアの貧しい階層の出身だが、奨学金を得て米国の博士課程を出て(しかも寮とかではなく比較的貧しい人が住む地域に住み)、今は英国の大学で教職にある、とか一発で表現できます。こういうことを踏まえて使うのでなければ、ただのなんちゃって方言にしかなりません。
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