第12話漢字を開こう

 ルビの話にも通じますが。

 えーと、漢字を開くというのは、漢字を(だいたいは)ひらがなにするということです。選挙ポスターで苗字か名前がひらがなになってたりしますね、あんなのです。

 それとか文章としては、たとえばとしてですが、「思う」を「おもう」と書いたりとか、そういうのです。

 で、なんでこんなことを書いてるかというと、どの作品がということはないのですが、みんな漢字を使いすぎと思うからです。

 作者にもよるし、作者の色とか味とかにも、開くにせよ開かないにせよ、なりえることではありますが。

 手近にあるものでみると、小松左京とか。まぁ誰でもいいんだろうなと思いますが。そういう人のを見てみると、「漢字、開きすぎじゃね!?」っていうくらい漢字がすくないです。

 あ、誤解はしないで欲しいのですが、常用漢字におさめろという話でもありません。えーと、たぶん有名な例だと「障害」「障碍」を「障がい」と書くとかですね。いや、それって無理あるでしょと思います。日本語以外の言葉でもそうですけど、ひとまとまりとして読むっていうのがあります。そういう読み方が普通。すごい単純な例ですけど、こんなのを見てみましょう:

   This

   this

   ThiS

   tHis


 まぁ、綴りは同じです。上の二つは普通です。下の二つが普通ではない。ネイティブの感覚はおいておくとして、下の二つは読みにくくないですか?

 これくらいだとまだかもしれないので:

  coMpUtEr


 コッチのほうがまだ言いたいことが見えやすかも。

 常用漢字におさめるというのを方針として使うなら、それはそれでかまいません。ですが、ひとまとまりとして読むという習性や習慣に逆らって、読みやすさをそこなっているという点には注意が必要でしょう。


 寄り道はこれくらいにして。ともかく、大家とかはむちゃくちゃ漢字を開いてるというところを確認して欲しいと思います。

 別の言い方をすると、ひらがなが連なっても読みやすい文にしているとか、効果的に漢字を使っているとかと言うこともできるのかなとは思いますが。

 まぁ、この項もまだ漢字が多いんですけどね。

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