超進化少女アカシ

遠野蜜柑

プロローグ


 俺の従妹の話をしよう。

 俺の従妹は引きこもりだ。


 平均睡眠時間は推定十二時間。

 外出は月に一度すれば良い方。

 頭は常に寝癖でぼさぼさ。


 私服はパジャマが主。

 趣味は深夜のネットサーフィン。


 高校を中退し、働きもせず、日がな一日中ゴロゴロしているだけのくせに家事手伝いを名乗る不届き者。


 ニートでありながらほぼ毎日昼飯に宅配ピザを頼むという贅沢を敢行する厚顔さ。どっからどう見ても、どこへどう出しても恥ずかしい、立派な社会不適合者である。そう、俺の従妹はどうしようもないやつだった。



 恥の多い人生を送ってしまっている従妹。昔から珍妙な性格をしていたが、去年高校を辞めてからさらに低迷を極めている。


 そんな従妹と初めて出会ったのは小学校三年生の時だった。

 今日から一緒に暮らすから、と言って親父がある日突然連れてきたのが始まりだ。


 はて親父に兄弟なんかいただろうかと疑問に思ったものの、いきなり現れた同い年の女子と一つ屋根の下で暮らすという急展開に対する戸惑いに幼い頃の俺の思考はほとんど持っていかれ、そのまま深く考えないでいるうちにあれよあれよと時が流れて八年が経過。


 現在にまで至る。

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