プレゼント
駐在警察官の
「お巡りさん、毎日カップラーメンですか?」
祐介は笑って答えた。
「ええまあ。食べる時間がなかなかなくて」
君子は言った。
「仕方ないでしょうけど、栄養バランスに気を付けてくださいね。はいこれ、ウチで作ったポテトサラダです。作りすぎたので」
祐介は言った。
「ああ、ありがとうございます。いただきます。嬉しいなあ」
祐介は割り箸を割ってポテトサラダを食べて言った。
「じゃがいもの自然な甘さが出ていておいしい!奥さんの味付け最高ですねこれ!ありがとうございます!」
君子は言った。
「食べ終わったタッパーは持ち帰って洗いますから大丈夫ですよ…それより実は相談なんですけど」
祐介はカップ麺の麺をつかんだ箸を止めた。君子は言った。
「食べながらでいいですよ。伸びちゃいますし」
祐介は会釈して麺をすすって食べつつ言った。
「すいません」
君子は言った。
「実は最近、河野さんの部屋の様子がおかしいというか」
祐介は言った。
「河野さん、覚えてますよ。いつも挨拶してくれるので。良い人ですよね」
君子は頬に手を当てて言った。
「まあねえ。そうなんですけど、どうも最近河野さんのいない時に部屋から物音がするんですよね」
祐介は言った。
「彼女とかじゃないんですか?」
君子は言った。
「はじめはあたしもそう思って河野さんに聞いてみたんだけど、彼女はいないし、同居の人なんていないって。でも河野さんが仕事に出かけた後に音楽が鳴り始めたりするのよ。やっぱりおかしいわ。なんか気になる」
祐介は食べつつ言った。
「確かに、なんか隠してるみたいですねえ」
君子は首をかしげながら言った。
「お巡りさん、悪いけど、このままじゃ不気味だから、河野さんのこと調べて教えてくれないかしら」
ポテトサラダもカップラーメンも食べ終えて、祐介は言った。
「まあ、自分も気になるのでちょっと聞いてみますね。ごちそうさまでした」
君子は言った。
「忙しい所申し訳ないけどよろしくお願いします」
祐介は言った。
「いえいえ、これも仕事ですから。ポテトサラダありがとうございました」
君子は笑んで言った。
「あら、綺麗に食べてくれましたね。また作りすぎたら持ってきますね」
祐介は言った。
「ありがとうございます。楽しみにしてます」
君子は去って行った。
達夫はアルバイトを済ませると、おもちゃ屋でおもちゃを選んでいた。達夫には小さな女の子が喜ぶおもちゃが何かわからなかった。達夫は店員に言った。
「あの、5歳くらいの女の子におもちゃを買ってあげたいんですが、何を買えばいいかわからないんですけど…」
女性店員は笑顔で言った。
「誕生日プレゼントですか?」
達夫は苦笑いして言った。
「まあそんなもんです」
女性店員は言った。
「そうですねえ、今なら新しく放送しだしたアニメのスマイルプリキュアのおもちゃだとかが人気ですかねえ」
達夫は思った。
(京の場合、テレビは見させてもらえてなさそうだなあ。もし見ていない場合も考えて買った方が良さそうだ)
達夫は言った。
「そういう、何かアニメとか見ていたりしないと遊べないおもちゃではなく、ずっと人気のあるおもちゃとかありますかね?」
女性店員は笑顔で言った。
「そうですねえ、それならお人形とか、テディベアとかのぬいぐるみとかが良さそうかもしれないですね。おままごとセットだとかも人気がありますし。」
達夫は顎に手を当て、頷きながら言った。
「なるほど…ありがとうございます」
「お人形などはあちらのコーナー、テディベアなどぬいぐるみはあちら、おままごとセットはあちらになります。また何かあったら言ってくださいねー」
女性店員は笑顔で言うと去って行った。達夫はおままごとセットなどを見て回って思った。
(これいいなあって思うヤツは大体高いなあ。まあほどほどのヤツを選ぶかなあ)
達夫はレジで精算を済ませると、大きな荷物を紙袋に入れておもちゃ屋を出て、本屋へと向かった。本屋では絵本を探した。達夫は考えた。
(絵本はひらがなとかカタカナになっているのがいいかな、読み仮名があるヤツでもいいけど。まあ大体そうなってるかもだけどな。内容はどういうのがいいだろうか)
すると達夫はリアルなタッチで描かれた表紙の「黒猫のおきゃくさま」という猫が出てくる絵本を見つけた。達夫は猫が好きだったので、さっそく読んでみた。心温まる話だったので、達夫はこれにしようと思い、レジへ持っていき買った。
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