甘美なる復讐
尾形ザッカロニ
プロローグ
2016年6月2日 20時38分
『今日午前9時頃、ロサンゼルスのオフィス街で銃の乱射事件が発生し・・・』
『この事件により、7人が死亡、12人が負傷・・・』
『通勤ラッシュだったため被害者は多く・・・』
『犯人は射殺され・・・』
どのチャンネルでも今朝の事件のニュースばかりだ。
おれはグラスの中のウイスキーを飲み干し、テレビを消した。
事件というのは今朝の9時頃、通勤ラッシュのロサンゼルスのオフィス街での出来事だ。ニール・ガーランドという男が人だらけの中、銃をぶっ放して自分の上司と無関係の奴を殺しまくった。ただそれだけのことだ。
そしておれは帰り際にソーンバーグのクソ野郎からありがたくもないことを言われ、挙句この事件の記事を担当しろと言われた。ありがたくもないことがただそれだけで済ませられることではないのだが、もうどうだっていいのだ。
今のおれには酒を飲んでこの事件の情報を収集するほか無いのだ。仕事を任命される前にクソみたいなことを言われようがそれが週刊誌のライターをやっているおれの使命である。
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