職業・作家 ~母の言葉~

こんにちは、埴輪です!


本日(4月7日)は【第1回カクヨムWeb小説コンテスト】の読者選考期間最終日です!

締め切りは23時59分!


「人事を尽くして天命を待つ」……そのために《近況ノート》も活用しようと思いましたが、ごく個人的な、それでも印象的なエピソードがありましたのでご紹介させてください!


昨日、アパートの契約更新の案内が届きました。

そこで私は思いました。

「来るべき時が来てしまったか」……と。


私は去年三月に長年勤めていた会社が解散し、失業者となりました。

それからは雇用保険や貯金を使って生活する生活を送っていましたが、そんな生活が晴れて一周年を迎えたわけです!


そんな折り発生した、アパートの契約更新。


「果たして、無職の人間に部屋を貸して貰えるものだろうか?」と思い悩みまして、ネットでも色々と調べてみた次第。

その結果、何でも一度契約をしてしまうと、「家賃の滞納」以外の理由で借り主を部屋から追い出すということは難しい模様。

ただ、これが契約の更新ではなく、新規契約だとまた違って来るとか、大家さん次第だとか、まぁ色々な情報が見つかりました。

……うん、ネット社会って便利だね!


ともあれ、今回の件を通じて一番驚いたのは、自分自身が「無職である」ということに、自分が思っている以上の引け目のようなものを感じていたという事実です。


失業をチャンスと捉え、今まで時間を割けなかった執筆活動に邁進。

貯金がなくなればまた働けばいい。

……それでいいと思ってたのですが、いざアパートの契約更新という現実を前にして、急に不安になってしまったわけですね。

いかに当人が「大丈夫」と思ってみても、第三者から見たら「無職で無収入」であることは変わりませんから。

……そう、何だかかんだで他人の目というものも自分は気にしていたなんだなぁと。


失業したことを正直に話すべきか、どうせ職場なんて調べないだろうから、今はもう存在しない会社に勤めていることにするか、色々と悩みました。


そんな私の悩みをすっかり解決してくれたのは、母の言葉でした。


「……仕事? 作家でしょ? 私はそうだと思ってるし」


……いやー、目から鱗でしたね!

母には私が失業していることも、執筆活動をしていることもちゃんと話してありますし、執筆活動については昔から応援してくれています。


私自身、作家だとプロフィールに書いていましたが、やはり心のどこかでは「自称」の域を脱却できていなかったのだと思います。


それを自分ではなく、母の方が「作家」だと思ってくれている。

それは本当に嬉しいことでした!


実際のところ、私は現在電子書籍を販売したり、こうして「カクヨム」で作品を発表したり、コンテストに応募したりしています。

その生活は全て執筆活動に結びついており、唯一の難点はそれが収入に結びついていないこと。

ただそれも、アルバイトなりなんなり、生きていくために必要な最低限お金を稼いでフォローしてばいいわけで、職業としては作家といって何も差し支えがないと思います。


「詭弁だ!」「妄想だ!」と思われる方がいるかもしれませんが、私なりに現実的に「作家」というものを向き合った結果、この認識はとても大切なことだと思えました。


例えば。


私が仮に何らかのコンテストで賞を取り、本が書籍化され、晴れてプロデビューしたとします。

それで、今の生活と何が変わるかといえば、収入面だけだと思います。

作家はどこかの会社に所属して、お給料を貰うわけでありませんし。


そしてその収入だけで暮らしているかといえば、厳しいというのが現実のようでもあります。


また、プロデビューによって知名度は上がるとしても、果たしてそれはどの程度のレベルの知名度でしょうか?


誰でも知っているような、テレビでもしょっちゅう取り上げられる作家などは本当に一握りで、それこそ芥川賞や直木賞でも受賞しながい限り、「知る人ぞ知る」という存在止まりであることは変わりなく、違いといえば「自分の本が本屋で売っている」ということぐらいです。

そして本屋で売っているからといって、売れる保障があるわけではありません。


……随分と夢のない話をしているようですが、作家として生きていくということは、こういうことなのだと思います。


よく漫画家や小説家が「こんな仕事止めておけ!」というのは無理からぬ話で、決してオススメできるようなメリットが少ないというのが事実だと思います。


それでもなぜ漫画家や小説家になるかといえば、それしか道がなかったからだと思います。


私はと言えば、死ぬまで小説は書き続けていきたいと思っています。

そして、そう決めた時から、私は作家になったのだと思います。

それは、自分の中で。


きっとそういう人は多いと思います。

会社勤めをしながら、空いた時間で小説を書く。

それは素晴らしい人生だと思います!

そしてそこで才能を認められ、作家となる道もあるでしょう。


私も貯金が尽きれば働く事になるでしょうが、それはあくまで生活費を稼ぐため。

そして本業は作家だという意識でこれからの人生は歩んで行きたいと思います!


そして、前置き……というか、話がずれにずれましたが、本日、無事にアパートの契約更新が完了しました!


提出する書類の職業欄が空欄だったので、不動産屋の方に突っ込まれましたが、「昨年勤めていた会社が解散して、それからは執筆活動をしています」とちゃんと言うことができました。


そこからは私の執筆についての談義……にはならず、失業のついての同情や景気の悪さといった世間話に終始し、何だかんだで契約更新は完了。


もし、私がデビューしたプロの小説家であったとしても、不動産屋の方の対応は何一つ変わらなかったと思いますし、そういうものだと思います!

不動産屋にとっては、その人がどんな仕事をしているかより、きちんと毎月家賃を払ってくれるかどうかが重要で、それはある意味公平な対応だと思いました!


次回の更新は二年後。

その時にも、生活費をアルバイトで稼ぎながらも作家として頑張っていますと言えるように、これからも頑張っていきたいと思います!


それにしても……本当に、私は母の子供で良かったとつづく思います!

一番身近で、最強のファン。

……といっても、母には私の作品をまだ見せたことはないのだけれど。


いつかちゃんと作品を書籍化したものを読んで貰いたいものです。

電子書籍じゃ、やっぱり不親切ですからね!


私も何だかんだで執筆生活も九年目に突入。

高校時代の恩師は「何事もものになるには十年」といっていました。

この九年間、全て執筆に捧げていたかと問われると、そうではない部分もありますので、まだものになるには数年、いやさらに十年ぐらい必要かもしれません。


それでも、私は作家として生きていきたいと思います!


では!

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