ヒカリ←→アキラ 8(8月5日)

8月5日

今日は夏祭り! 浴衣着て、射的に、林檎飴! あと……三枝君に会っちゃったらどうしよ……。えへへ。

思わずにやけてしまう。そうだ! うんとおめかししていこう! 会っても恥ずかしく無いようにね! あわよくば好き……になって貰えたえたりして……。きゃ~~~。たはっ! 流石に無いかーーー(照)


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今日は夏祭りか~~。だるいな。まあ、見送るか……。


『りんごーん』


ん? 幸平?

『何?』

『いや、夏祭り行かないのかなって』

『う~ん。どうしよ。年々人が増えてくしさ~』

『まあ、そうだな』

『何? 幸平は行きたいの?』

『いや、彰が行くなら着いて行こうかと』

『ふむ。じゃあ、行くか』

『おう。それじゃ、7:00に駅前な』

『了解』


到着っと。うーん。幸平は何処かな~?

「おーい。彰」

「おお。来たか」

「待たせたな……って、お前その格好祭り行く気満々だったのかよ」

「え? そうか?」

幸平が俺の甚平を指しながら言ってくる。

「まあ、いいや。取り敢えず行こうぜ」

「ああ」


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「一美? 行くよ~」

あ、ちかちゃんだ。

「待って~今行くから~」

家の外で待っていてくれた千可ちゃんと合流する。

「何? 一美おめかししちゃって。というか眼鏡は?」

「あ~。今日ね。初コンタクト」

「そうなんだ~。って、コンタクト嫌いだったあんたが、一体どんな風の吹き回しよ」

「いいじゃんいいじゃん」

「まあ、いっか。じゃあ、行くわよ~」

「うん」

ちかちゃんの、こんなさばさばしたところが大好きだな。うん。


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屋台の煙が凄いな……。なんか幸平は凄いお祭りを満喫してるし……。

「あ、ちょっと、彰。このお面と、たこ焼きとリンゴ飴と綿飴持って」

「……お前、買いすぎだろ」

俺にこんなに預けても尚、幸平は両手にイッパイの物を持っていた。

「まあ、いいじゃん。楽しまないと勿体ない」

「まあ、そうか」

「そうだろ」

「と、いうか、こんなに人が居るんだから、クラスの奴とかと会うかな~? 思ってたのに、会わないもんだね」

「ん~そうだな。でも、お前、今前を歩いてる2人組って、多分同じくラスの黒崎と相楽だろ」

「え? そうなの?」

「多分。メガネしてないから相楽の方は分かりにくいけど、黒崎の方はわかるだろ。ほら、あの涙ぼくろ」

言われてみれば……。確かにそうだな。

「ちょっと声かけてくる」

「おい……。あ、遅かったか……。もし違ったらどうするんだよ……」


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「ねえ、ひょっとして黒崎さんと相楽さん?」

「うわぁ! 三枝君!?」

「あ、三枝君。こんばんは」

「こんばんは」

「2人でお祭り?」

「うん」

あ、やばい。火照ってきた。

「三枝君は?」

「幸平と一緒」

「あー。2人とも仲良しだもんね」

よし、平静を保ててる……。

「まあ、腐れ縁みたいなもんだよ」

「そうなんだ」

「よ、黒崎、相楽」

「あ、西部君居たんだ」

「ああ。少し前から」

「気付かなかった」

「酷いな」

なんかちかちゃんは西部君のこと虐めてるし……。

「あ、そうだ。相楽さん」

「何?」

「その浴衣? 似合ってるね! あと、コンタクトのが良いよ! 絶対!」

「はにゅ!?」

今なんと言った!? マジで? このソバカスbbaが褒められただとぉ!?

「そそそそ。そう? 似合ってる? そそそそそ。そう? あっあり、ありがちっ!」

もう無理。


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「え!? 相楽さん!?」

格好を褒めたらぶっ倒れられた。うーん。女の子ってヨクワカラナイ……。

と、いうか、

「相楽さん!? 大丈夫? おーーい」

「むにゅ……。だいじょうぶ~」

「大丈夫じゃないよね!?」

俺は心配して肩を叩いてみたのだけれど、

「だいにょうびゅ~」

「悪化してる!?」

「あ、三枝君。後は私に任せてくれていいから、西部君と遊んでらっしゃい」

「そう? でも、相楽さん顔真っ赤だし、俺、なんならおぶれるけど」

「なに? 一美を殺したいの?」

「え? なんでそうなるの……?」

「大丈夫。三枝君は知らなくていいから」

「そ、そうなの……」

女って分かんねぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええ。


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『三枝君こんばんは』

『こんばんは、ひかりさん』

『今日はいつもより遅くなってごめんなさい。ちょっとお祭りに行ってて、帰るのが遅くなっちゃったの』

『そうなんだ。あ、俺も行ってきたよ!』

『そうなの? なにか面白いことあった?』

『う~ん。あ、クラスの子に会った』

『ふ~ん。どの子?』

『えっとね。相楽さんって子なんだけど、なんか学校とは違ってね、大和撫子みたいだった』

『へ、へえ~。で?』

『で? とは』

『ほ、惚れたりとか……。しないの?』

『う~~ん。惚れたこと無いから分からないけど、決して嫌なタイプじゃないよ』

『そ、そうなんだ~』

『ん?』

『あ、いや、何でもないの』

『そうなの?』

『うん。お休みなさい』

『え?あ、うん。おやすみ』


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何だ? 女って何なんだ!?

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