in Anotherspace~究極への挑戦~

カマクラ君

第1話 世界の叡智

旧世界で行われた神への挑戦は

惨敗という形で終了した


圧倒的な科学力も

やはりと言うべきだったのだろうか

神の領域を侵すことにはならなかった


最大の敗因、それは・・・


神の存在自体だろうか

まず、聖域と呼ばれる絶対的な防御を攻略することができなかった


周囲に見えない空間の壁があるみたいな

物理攻撃の類は一切通用しなかった

ただ、単純に科学力だけの世界ではなく

併用して魔法と呼ばれる未知なる技法を合わせ

より神に近き存在を誕生させていた


擬似的ではあるが

聖域を侵食する能力を発揮し

神へ直接の戦いを可能とした


しかし、あくまでも擬似は擬似でしかない

本当の神とでは雲泥の差

それに、宝石を最大限に発揮できるだけのテクノロジーも

足りなかったかと思える


魔法の力を科学で制御するシステムとして

宝石を用いた演算処理による詠唱魔法の発動機器

“ソウルジュエルデバイス”を開発したが

試作段階での運用を強いられた

完全版があったら、どうなっていたかはわからない


無謀とも思える旧世界の戦いは

明らかな準備不足だった


ある意味で侵攻される形であったために

仕方ない部分も

否めなかった


ひとつだけの世界だけであったら

何の問題もなかっただろう

特殊な能力を保有した無数の世界が存在する

滅んだ世界も科学と魔法が共存していた、ある意味で調和の空間だった

科学に特化してしまったために、侵攻対象となり

その相手が神と呼ばれる存在であっただけのことだ


単純に神と言っても

一般に想像する信仰的な存在ではない

そのような存在も中にはいるが

それぞれの世界を次元壁で隔てた空間を所有する管理者であり

“ジオ”と呼ばれている


そのジオ達が神と呼ばれる中の一部だ


世界を管理していない神もいる

“レジェンド”と呼ばれる存在

ジオの管理する世界を巡り秩序を保つために

行き過ぎたと判断した場合に干渉して

均衡に戻す


今回、旧世界と呼んでいる世界は

逆に均衡を崩すとされ

侵攻に対し、レジェンド達すべては傍観を選択した


ただ、世界数は一定を条件としているために

新たな世界を構築して

新たな歴史を刻むことになる


旧世界のジオは、あくまでも冷静にこの流れを受け入れた

自分の遂行したい計画のために


世界を保有していない神は他にもいる

“ニューカマー”

現行の世界の中で新たに覚醒して神となった存在

ジオやレジェンドは

世界空間の創造の段階で既に存在しており

異なった違う場所から、来たとされている


どうして、この世界空間を創造したのかは不明だが

“ジオクロニクル”と呼ばれる

神だけが閲覧可能な現行世界を記してきた

データベースのようなものがあり

これを用いて何かを企んでいると・・・噂がある


基本的にジオやレジェンドはあくまでも参考資料的にしか思っていないが

ニューカマーには重要な情報源であり

特に野心的な存在には


特殊な神として紹介しておくと

取り上げている世界の管理者は

元ニューカマーのジオである

様々な情報を得るため

世界を増やしていて

新たに覚醒したニューカマーの中から

管理者になれる器をジオとして世界を管理してもらっている


比較的穏便な存在が適応者となるが

あくまでも多いだけで、全てではない


ここまで書けば、察してくれている方もいるかもしれませんが


普通に凄い能力を得た、野心的な存在が

そんな能力を最大限に発揮できるステージを用意してくれたら

最高のパフォーマンスを見せたいと思うのは

当然のことだと思うのですが


自分がどこまでできるのか

限界に挑戦したい

純粋に、ただ真っ直ぐに


思い切り歪んでいると、周囲は思うかもしれませんが

それは、価値観の差だと

実際に自分がその立場となった場合


同じ気持ちを抱くのではないでしょうか

まあ、それは野心家だったとしてですけど


身勝手な神様じゃないかって

そんなのは、神様になってから

同等の立場で意見して欲しい


そして、そんな新しい世界を旧世界より再び管理任された神は

知り合いの別の神とコンビを組んで

計画の遂行を進めるのでした


旧世界にて未完だったシステムを開発した科学者

自らを実験体として

改良版を完成させていた


その科学者が知り合いの神だったりする


実験途中で神へと覚醒する

それ以降も科学者として様々な開発を行ってきた


純粋に探究心が特化して神へと進化したためか

とにかく科学が全ての頂点だと思っていて

自分がそれを証明すると奮起してきた


そんな証明を確証するためにと

この世界のジオが力を貸してくれることになる


そして、まずは聖域の干渉を試みることに

中途半端に思えるシステムは

あくまでも実験途中の試作でしかなかった


通用するかだけわかればよかったから

それを把握して、別の世界に移動して

開発の完成をするための準備を行ってきた


残っていては、滅ぶ世界と共に消えてしまう

新しい世界が証明するためのステージだから

しっかりとした手順を進めて


欺いたサプライズになったとは思えないけど、時間は稼げたかな??』


『ええ、おかげで素敵な証明実験パフォーマンスを披露できそうですわ・・・』


空中に浮かぶ戦艦ふね甲板デッキから

構築されていく街並みステージを見下ろしながら

これから始まる準備を行っていた

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