「王。どのような冠が最も高貴なのでしょうか?」

「そうじゃな。最も高貴な冠は、目には見えぬのであろう」

「あーあ。王、まーた商人に騙されましたね」

「……」

「冠を戴かれないのは構いませんが、ウイッグだけはつけて下さいね。てかてか眩しくてかないません」


◇ ◇ ◇


 侍従というのは、しばしば主人よりも批判性が強く、尊大で横柄になりますね。まあ権威主義を逆用するしたたかさがあるのは、むしろ健全なのかなーとも思いますが。さて。



【おしまい】


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