着陸

「手入れの悪い滑走路やなあ。でこぼこで、あちこち穴だらけやないかい」

「キャプテン、本当に着陸するんですか?」

「しゃあないやろ。ジョーンズの野郎、インフルなんかにかかりよってからに。回収して治療せなあかん」

「宇宙人でもかかるものなんですねえ」

「俺らもうつされんようにせんとな」

「あー、やだやだ。葛根湯飲んどきます?」

「だあほ! おまえまで地球かぶれしてどないすんねや! インフルに葛根湯が効くかい!」

「……。キャプテンもしっかり調べてますね」

「う……。おまえみたいのは、地球では突っ込みと言うらしいで」

「へー」

「つべこべ言っとらんと。着陸ポイントのチェックせえや。ったく」

「らじゃ。あ……」

「どした?」

「もう暗くなってきてるのに、誘導灯も管制のアナウンスもないですね。どっから進入してどこに停めたらいいのかなあ。うーん……困ったなあ」

「だあほ! おまえもインフルにかかって、脳みそ茹だっとるんちゃうか?」

「ひ、ひどい……」

「宇宙船は垂直離着陸できるんや。どっかちょこっと空いてりゃ、それでええねん」

「あ、そうだった」

「ったく。あのあたりでいいやろ」

「ずいぶんてきとーですね」

「やかあし!」


 うんちゃら//  うんちゃら//  うんちゃら//


 どぼーーーーーーーーーーーーーーん!


「キャ、キャプテン! 浸水してますーっ!」

「あ、しもた」


 池ぽちゃ……や



 ……OBですな。


 ゴルファーのみなさん。

 宇宙船が混じってるかもしれません。

 ボールを打つ時には用心いたしましょう。



【おしまい】

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