終焉世界で待ってる

竜造寺。

第1話

 /零


 世界と言うものは、終わって、始まって、を繰り返すものだ。考えてみれば、宇宙の構造だって似た様なもの。星が出来て、その星が終わって、超新星爆発を起こして、ガスになって、またそこから星が出来て。そうやって世界はくるくると回り続ける。──鶏が先か、卵が先かは、ここでは別の話。宇宙創世の話ではなく、宇宙の輪廻の様な話。


 終わりと始まりをくり返す──とは言うけれど、それを僕達が理解する事はきっと、いや、この先確実に、一度として無い。それは必ず、無い。断言出来る。

 何故なら、その世界が終わってしまえば、その世界に住む自分も終わるのだから。世界の終わりは同時に、僕達の人生の終わりと、その世界の記憶の終わりと、僕達から見た世界の記憶の終わりを全てイコールで繋げられる。

 そうなってしまえば、記憶を何処かに保管でもして次の世代に渡す、とでもしないとダメだ。だから、僕達は世界の円環をその記憶に留める事など出来ない。決して、


 ただ、神ならばそれは可能だ。世界を創る神ならば、世界の終わりも創ることが出来る。人を救う技術が、人を殺す技術たり得る様に。

 或いは、神に近い人間でも、可能かもしれない。もし、世界の終わりと人生の終わりをイコールで繋げない人が存在するなら、可能なのかも知れない。



 また、この世界も終わりの産声をあげ始める。


 初めは小さく鳴きている。でも、ゆっくりと大きくなっていく。


 終わりというのは唐突で、あまりに無慈悲。




 ……──ならば、僕は……せめてこの世界の最後の声を聞き届けてから、壊したい──……

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