四節 熟れた桃は地に落ちて(後編)
ヴァイオラはそれを、離れた場所からじっと見ていた。
炎の中、槍を地に突き立て、身を預ける巨漢の姿を。
霧散する影たちの中央で、剣を構える少女の姿を。
結局、こうなってしまった。いや、初めからそうなるはずだったのだ。
潮の流れを、風向きを、自由に操ろうなどと思うから船が沈むのだ。ヴァイオラは己の身を恥じた。しかしそれでも目を伏せることはしなかった。
少女は勝つだろう。ならば彼女は行くだろう。
そうして、かの悪魔と立ち向かうだろう。
今更だ。ヴァイオラは唇を噛んだ。
彼女の思いを、踏みにじることができなかった。だからメセルスを手放した。舵を切ったのはその時だ。一度潮に乗った船は、もう引き返せない。
彼女は行くだろう。魔女の下へ。
そして相対するだろう。レストロオセの悪魔たちと。
「私は半端な女ですね」
彼女を止めるべきだと、そう思っていた。
だが選んでしまった。彼女の背を押してしまった。
「エフラス。我が息子。同じ過ちを犯す私を、あなたは笑いますか」
ヴァイオラは、青き少女が一歩踏み出すのを、じっと、見ていた。
決着はついていない。エッジールは細く息を吐いた。
取ったと思ったはずの一撃ですら捌かれた。
シールロウの周囲を、緩く炎が撫でていた。
彼の槍は赤熱し、大地は燻る音を立てる。
風を燃やすなどという理論からかけ離れた事象を実行せしめたのは、彼が血によって継いだ古い邪視術。
シールロウを勇者たらしめる、魂の熱を形にする技。
ボロミアの王権を示す心の炎――【魂魄燃焼】の秘儀。
【ボローム根性焼き】というどうかしている名前の通りだ。
術者が心の炎を燃やし続ける限り、その炎は消えない。
炎の強さは、かの男の心の強さ。その護りを抜くには、男の心そのものを砕くか、男の意思を上回るだけの意思をぶつけるしかない。
……もっとも、その炎はエッジールの知るそれよりずっと弱々しかった。
「やっぱり……」
エッジールは呟いた。
「初めは、ハルシャニアとの戦いを見たとき。おかしいと思った。貴方と戦って見て確信した。それ、いつもなら海くらいは蒸発させたのに……海はキツいなんて、嘘までついてね」
まるで隠すみたいに。
そう言うと、シールロウは鋭い目でエッジールを睨んだ。
「貴方、弱っているのね」
「……だからどうした。槍が降るとでも言うか?」
「らしくない答え」
「情けなど無用よ」
シールロウは苦しげに言葉を吐き出した。
「心は、確かに弱っているとも。……愛するものを失ったのだ」
僅かに目を見開いた。そして確信した。
「我とて人だ、涙せぬわけではないし、それが弱みに繋がることもあろう。だが我は戦士。我は勇者よ。例え悲しみに暮れようとも、あらん限り戦わねばならぬ」
男は吠えた。……まるで、言い聞かせているかのように見えた。
「さっきの答えを言ってなかった」
エッジールは、自分の心がひどく冷えているのを感じていた。
それは恐らく、戦士としての自分が努めてそうしているのだった。
……そうでなければ、エッジールは感情のままに振る舞って、決闘の体裁を忘れてしまうだろうから。
「ダメだ。受け売りの言葉が聞きたいわけじゃない」
握りしめた拳は真っ白だ。
エッジールは、男の瞳が揺れるのを見た。
シールロウは気付いているだろう。
「だから答えて――どうして、こんな条件をつけた?」
とうにその答えを、気付かれていることに。
「どうして私を欲しがるの」
「……我は」
シールロウは言いよどんだ。尻込みした。
それは、この男からもっとも遠い振る舞いだった。
だからエッジールは冷徹に続けた。
「貴方は私を望んでいるわけではない」
「――やめろ」
今度は、鋭い言葉で明確に答えが帰ってきた。
「私に、あの子の影を見ているだけだ」
「やめろ……黙れ!」
彼の見苦しい姿に、エッジールは瞳を一度、ぎゅっと瞑った。
苦いものを噛みしめようとして、力を込めた奥歯をぐっと抑える。
ありのままを飲み込んで、エッジールは苦しげに一度息を吸った。
そして目を開け、吐き出した。
「ボロミアの王。私は貴方の望む女ではない」
「黙れと、言っているのだ!」
「――私は、ミューネラにはなれない」
男はがむしゃらに飛び出していた。
「黙れ!」
炎を尾に引き、瞬く間に距離を詰めた男は、荒々しく竜牙槍を突き出す。
エッジールはそれを半歩ずらして避ける。
……懐かしい話だった。
――わたし、おうじさまと結婚するんだぁ。
「ミューネラは貴方に恋していたんだ」
「黙れッ!」
桃のミューネラは純真で、夢見がちで、恋多き少女だった。
絵に描いたような強き王に、少女は惚れていた事があった。
思えば、それもいつかぴたりと止んでいた。
……きっと、ラティニスや先輩たちは気付いていたのかもしれない。
「いつものやつだと思っていた。でもそうじゃない。貴方たち――」
機関砲の如く繰り出される刺突はしかし単調で、エッジールはそれをするすると掻い潜り、刃の代わりに言葉を紡いだ。
「……本当に、愛し合っていたんだ」
一突き。
その穂先を掴み取ったエッジールの前で、シールロウは彫像のように固まった。
纏う炎はもはや風前の灯火。やがて溶けゆく蝋のように、彼は固まっていた。
「ボロミアの王とミューブランの姫君。人と精霊。槍神教と【眷属】。結ばれるわけにはいかない恋……黙ってたんだ、貴方たち」
「やめろ……」
「知らなかった。……私は本当に、知らないことばかりだった……」
ああ。そうと知っていれば、いくらでも出来たことがあった。
きっと息苦しい思いをさせただろう。私たちは皆望んで全てを祖霊に捧げ、あの子だけがそうではなかった。望みを外に得てしまった。得ることが出来た。
あの子の怯えは、望みがあるが故だった。そんなことも知らなかった――。
「だから、私を殺せないのね」
エッジールはその槍先を握りしめた。
「おかしいと思った。今なら言葉にできる。貴方は何より、正しい王だ。民のために戦う貴方が、どうして私を殺さないのか。決闘などという手も迂遠にすぎた。でも」
シールロウが穂先に力を込める。だがぴくりとも動かない。
「貴方は私にミューネラを重ねてしまう。だから殺せない」
言い募るたびに走る、言いようのない不快感。だけど。それでも。
……ほんのちいさな納得を得て、エッジールは細く息を吐いた。
あるいは、この男が弱い男であれば、こんな事も思わなかっただろう。
「私はミューネラじゃない」
そして、エッジールは強く口にした。
「――あの子は、死んだ」
炎が、ついに掻き消えた。
……
覇気に満ちたかつての表情は何処にもなく。
男は、歯を食いしばってきつく目を閉じていた。
「……貴方、ずっと耐えていたの」
不愉快だ。言って捨ててしまいたかった。
私はお前を慰めになどなってやらない。言うのは簡単だった。
この不快感が、昨日私がザリスに与えたものなのだと、エッジールは自覚した。
「一人で、誰に打ち明けることも出来ずに」
……けれど、その痛みを知っていた。
いなくなれば悲しい。いないことが苦しいのだ。
何かにその面影を求めてしまうのだ。
傍にあったものがなくなるというのは、そういうことなのだ。
心の柱がどれほど強くあっても、それを支える大地を失えば、倒れるしかない。
エッジールはそれを、嫌というほど知っていた。
知ってしまった。
彼は槍に縋り付くようにして、地に伏せぬよう必死になっていた。
それは勇者でも王でもなく、何処にでもいる一人の男だった。
愛する人を失った者の、当たり前の姿だった。
その姿を。
嫌というほど、知っていた。
「――シールロウ。よく、見ていろ」
メセルスクエルは片手を掲げて、天を仰いだ。
どうか――どうか、力をお貸しください。
ミューネラは、いつも誰かに寄り添ったから。
彼女ではない私にも、今一時だけ、その力を。
桃のメセルス、オカメインコの羽根が、男の胸のうちからこぼれ落ちた。
エッジールはそれを両手でそっと受けると、それに口付けた。
「メセルスルイト・ヴォーラント」
草原に満ちる花畑の如く、桃のヴェールが渦巻いた。
鳴り響く福音は小鳥の歌よう。
輝きよどうか、この男の芯にまで。
――ありがと、エッジール。
「我は色付く花々の桃」
花びらを模した裾と袖がふわりと膨らむ。
ドレスから露出した肩を、六枚花弁のケープが包む。
横髪を結い上げるリボンには、シロオカメの羽根。
その手に、花枝の笏。
メセルスコロン、桃の杖――。
大いなる白色九祖を司る、九人の精霊戦士の一人。
青き戦士が力を借りる、その名は。
「
メセルスリシェは、ひらひらとスカートを翻した。
「ほら。私では、ミューネラにはなれない」
気恥ずかしさすら感じる程のフリルの量。薄紅の花の色とまるで噛み合わない、呪紋に縛られたエッジールの体。出来の悪いコラージュのようだった。
加えて言えば、小剣のように杖を構える姿は魔法使いらしさの欠片もない。
「こんな可愛らしい衣服は私には似合わない。ミューネラだから似合うんだ。生まれつき花のように美しく、愛らしいあの子だから、この姿を得たんだ」
当然だった。その姿は、エッジールのために設えられたものではない。
ミューネラとエッジールの間に、似通う所は何もないのだ。
「……失ったものは、戻らない。面影はいつだって空想だ。そんなものはどこにもないんだ。私たちは、目を背けているだけなんだ」
それは例えば、かつて青ではなかった頃の記憶とか。
もう分からない母と父とか。
あるいは、ウィルエラの手のぬくもりとか。
人肌の暖かさに感じるそれらは、記憶のこだまでしかなくて。
そう断じてしまうほど苦しいことはなかった。
「だけど、貴方は私とは違う。貴方にはまだ未来がある」
あるいは、それが一番残酷なことかも知れなかった。
エッジールはそう感じていた。あの時皆と共に砂塵に埋もれて死んでゆければ、きっとこんなに苦しむことはなかったはずだった。
最愛の者を失って責務だけが残ることの、なんと苦痛なことか。
それを思えば、執念で剣を取っただけの、とうに死を定められたエッジールは、きっと報われている方だった。
「あの子が願った幸せは、まだ失われてない――終わってなんかないんだ」
だから、メセルスリシェは握りしめた槍を突き放した。
「構えろ、シールロウ」
たたらを踏む男に、メセルスリシェは強く言った。
そして、剣を振り上げた。
「祖霊様方にそれ以上、無様を晒すんじゃない。戦誓を忘れたか」
――いつだって諦めずに笑っていて。
――誰より自信に満ち溢れていて。
――一番前を歩いて行くひと。
「構えろ、人の王。勇者シールロウ。ミューネラの死を、貶めるな」
――ミューはね。
「――ミューネラは、立ち向かうお前を好いたんだッ!」
男は、崩れた姿勢を支えようと、その槍を地に突き立てた。
石突が荒野を割る。落ちていく膝は、大地と僅かな距離を開けて止まった。
……メセルスリシェは動かない。
これは決闘だから。ただじっと、待っている。
「我は、どうして」
ああ、と。それ以上を、メセルスリシェは飲み込んだ。
その問いが、その答えが、己を満たすことなどない。それを知っていた。
だからただじっと待つしかない。それしか出来ない。
「どうして、彼女を助けてやれなかったのだ」
来れるはずがなかった。本大陸のいち国家の王が、亜大陸に起きた悪魔の襲撃に対応できるわけがない。後から全てを知る以外に、事件に関わることは出来なかっただろう。その問いかけは無意味なものだ。
……それでも、言わずにはいられないのだ。
「どうして、彼女が死なねばならないのだ」
歯を食いしばる。
男は、乾いた荒野をぽたぽたと濡らしながら、それを初めて問いかけた。
「我は……どうしたら、よかったんだ……」
答えはない。
だからその問いは、答えがないことを確かめるための。
それを、言い聞かせるためのものだ。
メセルスリシェはただ待っている。大丈夫だ。確信があった。
己の弱さに向き合うのは、辛いことだ。けれど私だって立ち上がれた。私より心の強いあの王が、立ち上がれぬはずがない。
そして、男は、突き立てた槍に力を込めた。
「だが」
王は吠えた。
「それでも……!」
勇者は叫んだ。
「だが、それでも! 終わってはおらんというのなら!」
シールロウは、その槍を高く引き抜いた。
雄々しく。気高く。そう強がって。
「なればこそ、膝をつくわけにはいかぬ!」
そして槍を一振りして、引き絞るように構えた。
輝きは未だ弱々しく。かつての栄光も見る影はない。
だがそれでも、心の炎は燃え盛った。
「どうか胸を貸してくれ、青き花よ。我は……立ち向かわねばならぬ」
青の戦士は微かに頷いた。
「それだけが、我が勇の証明! 我が誓い! たとえ無力であろうとも、それに意味などなかろうとも、立ち向かうことだけは
巨竜オルガンローデに立ち向かったあの日のように?
問いの代わりに、メセルスクエルは剣先を持ち上げた。
「……祖は見ている。きっとミューネラも、その下で」
「どうか見ていてくれ、愛しきミューよ!」
気炎万丈、王の炎を漲らせ、シールロウは吠えた。
分かってしまえば、男の心の傷をえぐる事は難しくなく。膝をつきかけたあの男を下すことは簡単で。けれどそれでは駄目だった。
嘆きに暮れ、悲しみに溺れ、そして今立ち上がったばかりのこの男に、心の強さで負けるわけにはいかなかった。
ああ、いや――そうではなくて。
多分、この男のそんな顔、見たくはなかったから。それだけだ。
きっと、ミューネラは悲しむから。それだけだ。
雌雄を決する時が来た――振り上げた杖が震える。
張り詰めた空気に、【幽かな生命】たちが高らかに歌い始める。
揺らぐ炎のヴェールは踊るよう。少女の周囲を、花びらが逆巻いた。
踏み込みは同時。突き出される槍を【
「吠え猛れ、ディブラフェク!」
メセルスリシェは杖を振り上げる。
金と銀が生み出して、赤と青が放つのならば、黄緑桃は、包み纏う。
桃のメセルスは、事象と概念を織り上げる。
それはいと古き時代の、体系化されざる術――【魔法】の在り方だ。
イメージ。空想。願い。抽象的なものを、抽象的なまま具体化する。
冷たい炎、暗い光、咲き誇る風、あらゆる言葉遊びが現実になる。
桃のメセルスは魔法使いの力を与える。
もっとも魔法とは芸術の親戚であり、エッジールには才覚も学識もない。
だからイメージするのは、ミューネラの姿そのもの。
エッジールの願う魔法とは、つまるところ写し絵だった。
「芽吹け、コロン!」
荒野を緑が覆い隠し、遅れて色彩が爆発した。
草が芽吹き、花が開く。
色とりどりの花々が歓喜するが如く天を仰いだ。
そして、大きな花が咲く。
砂漠の端から端まで届くとされる長大な根を持つ、純白の花。
ティリビナの長、樹木神レルプレアの涙と称される、砂漠の姫花。
その効能とは、焦土にさえ咲くほどの強い炬火性に他ならない。
お互い考えることは一つ、これで最後。
「【我式・ボロームボローム根性丸焼き】!」
「咲き誇れ、【プリエステラ】!」
火炎の槍が砂漠の花を貫かんとし、魂の炎は巨花を飲み込んで燃え盛る。
交錯は一瞬。
脇を抜け、振り返り、互いの得物を横薙ぎに相手の首へと走らせる――。
「そこまで」
ヴァイオラの一声と共に、二人はぴたりと動きを止めた。
風が強く吹き付けて、火の粉と肉の炭が、花吹雪のように剥がれて舞い散った。
メセルスリシェの体は無惨に焦げ付いて、ぐずぐずと崩れた肌を露わにしていた。
足が機能しているだけ奇跡というものだろう。
――荒野に、槍が突き立った。
シールロウは少女の背後遠くへと落ちたそれを見、首筋に突きつけられた杖先を見て、少女の顔をじっと見つめた。
半身を炭化させたメセルスリシェは、男の顔を見返した。
男の腕は、プリエステラの根に縛られていた。
「我の負けだ」
男は微動だにせず、言った。
「……そうね」
「負けたのならば」
くすぶる炎が、溢れた涙に消えていく。
「膝をついても、構わぬだろうか?」
……エッジールは、突きつけた杖を引き戻すと、一撫でして振り払った。
膝からくずおれるシールロウを、エッジールはじっと見つめ、杖を立てて構えた。
「我が勝利は天高く、日輪を回す祖の影に」
決闘の儀の終了は、勝者の誓いで終わる。
はらはらと、焼け焦げた衣服が粒子となって、エッジールの体が戻ってくる。
青のエッジールは、大きく息を吐き出すと、空を仰いで瞳を閉じた。
「祖に抱かれて眠る……我が友に」
――咽び泣く男の声を聞きながら、エッジールは、花の香を嗅いだ気がした。
ヴァイオラは一部始終を見届け、歩み寄る少女を待っていた。
「ヴァイオラ様。私は、ザリスを追います」
そうだろうなと、それは口に出さずにいた。
代わりに伸ばした治癒の手は、そっと押しとどめられる。
緑のメセルスを身に纏えば、エッジールの体はみるみるうちに回復していく。
それが何故か、ヴァイオラには拒絶のようにすら思えた。
「彼女は……恐らく南海岸にいます」
「……海岸沿いに東へ?」
「ええ。丁度、到着する頃でしょう……」
ヴァイオラはきゅっと目を閉じて、長く息を吐いた。
「……エッジール」
「はい」
「ここに残って欲しいと私が頼んだならば……貴方は、聞き入れてくれますか」
エッジールは僅かに逡巡して、やがて首を振った。
「今、行かねばならないと、そう感じています」
「ああ、やはり……貴方は祖霊に愛された子ですね」
ほんの少しだけ、彼女は苦しげな表情を緩めた。
エッジールは、そこに己の命の危機を見て取った。
彼女がそんな顔をする時は、決まって誰かの心配をしている時だ。
「強い波が貴方を運ぶでしょう。行く先は暗礁です」
「それでも」
「ええ……お行きなさい。流されれば沈むだけです。櫂を手放さないで。その先に、何があろうとも……恐れず行きなさい。そして忘れないで」
ではこの表情はなんだろう。エッジールは思った。
私を抱きしめる彼女の、その強い決意の表情は。
「貴方は一人じゃない。祖が見ている。友が見ている。歩んできたすべての道が、そこで出会った誰かが、積み重ねてきた関係が……貴方をきっと助けるでしょう」
……決意と諦めは連結だと、そう言ったのはラティニスだったか。
ではヴァイオラ様は、一体何を諦めたと言うのだろう。
「その時失うものがあったとしても、貴方は足を止めないで」
その言葉の意味は、一体何だというのだろうか?
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