終焉

現実の終焉

アリスは彼を殺そうと自宅にいきました。



「ステファン?」



やけに静かでした。


薄暗い部屋に人影が二つ見えます。


一人は床に倒れ、一人はそれを見つめていました。





「……死んで頂戴?ねぇ、私のアリスをどうするつもりだったの?」



嗚呼……、立っているのは、クリスティーナでした。



「お姉さま!」


「あら、アリス……。悪い虫を駆除しているところですよ。」


「なんてことを……!」


「アリス?!本当にステファンを愛していたの?!」



クリスティーナがうろたえます。



「違います!」



アリスはクリスティーナにすべて話しました。



「ふふ……、やっぱりあなたは悪くないのね。この男が悪いのね……。嗚呼、アリスはいい子ね。」



クリスティーナは、血まみれの手でアリスを抱き締めました。



「……お姉さま?」



クリスティーナは気絶していました。


微かにうめき声が聞こえます。



「……まだ、生きていたんですか?さっさと死んで頂戴!」



━━パンッ!



隠し持っていた銃を放ちます。




声も挙げずに絶命したようでした。



アリスは優しくクリスティーナを抱き締めます。



「……これで、お終い。」










━━遠くでサイレンの音がします。














━━━パンっ!パンっ!



部屋の中で二回発砲音がしました……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る