第28話

***




それからまた長い年月が過ぎた。




俺は数々の葛藤を乗り越え…

最終的な行動に出ることを決意した。

俺の人生を賭けた大勝負だ。

もう失敗は許されない!




「やぁ、ディッキー!」


俺は、ディッキーを町外れの廃工場に呼び出した。

ディッキーの時間移動装置を見せてほしいと頼んだのだ。

ここは以前化学工場が爆発し、まだ危険な物質が残っているとの噂から、近付く者はほとんどいない。




「……よくこんな場所を見つけ出したもんだな。」


「当たり前だ。こんなこと、人のいる所で出来るかよ。

あんただってみつかったら困るんだろ?」


「……ま、そりゃあそうだが…

それはそうと……金は持って来たんだろうな?」


「もちろんだ。」


俺は、分厚い封筒を手に持ってディッキーに見せつけた。

中身は数枚をのぞいて後は全部偽物だ。




「金を払うのは後だ。

さ、その前に約束を守ってもらおうか。」


ディッキーは小さく舌を打ちながら、鞄を開け、ある装置を取りだした。

それは財布程度の大きさで、ついている計器類も想像していたよりもずっとシンプルで、まるで子供のゲーム機のように見えた。




「これが時間移動装置だってのか?」


「これは緊急出動用のものだから、最もシンプルに出来ている。

一人しか運べないし、バッテリーの関係で何度も移動することは出来ない。一度きりだ。

つまり、過去を操作しようとした者を発見した場合、即座にそこに向かい任務を遂行する場合にのみ使うものだからこんな形態なんだ。」


「へぇ…これがねぇ…

……ここで時代をセットして、こっちが座標か?」


俺は、装置について質問した。



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