だから何も問題ない
きさきさき
第1話
女の子はかわいそうだ。
こんな息苦しさを覚えるまでの小さな下着に下半身を四六時中締め付けられているなんて、あまりにかわいそうだ。
僕ら男の余分なペニスを差し引いても、やっぱり女の子の下着は窮屈だ。
男であれば、ゆったりと余裕のあるトランクスという選択肢があるが、女の子にはそれがない。
下着の種類でいえば、男の僕らよりよっぽど選択肢は広いのだが、それらはティーバックや紐パンツなど、履き心地は二の次で、見た目のかわいらしさや男の欲情を煽る色香に重点を置いた極めて安定性に欠いたものばかりだ。
そこに締め付けはないだろうが、過度な解放感は時に心細さを覚える。
安定か解放感、締め付けか心細さ。
女の子は下着において、いつもそんな両極端な選択を迫られているのだろうか。
やっぱり、かわいそうだ。
けれど、女の子にこんな同情を寄せれば、彼女たちは露骨なまでの嘲笑を浮かべ、僕にこう言うだろう。
「男のくせに、女の格好をさせられて街の中で立たされているあんたの方がよっぽどかわいそうだ」と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます