不死の終わり4

「おや、そこにいるのは破壊神ファボスかい?」

「む、その通りだが、貴様は誰だ?」

「彼女は死の神、モルスだよ。僕を殺すために来たんだってさ」

 リベルと先生も外に出て来た。

「ほぉ、ついに死の神にまで命を狙われるようになったとは」

「元々僕の方から頼んだんだけどね」

「そういえば、死ななかった理由とかわかったんですか?」

 二人して外に出てきたのだから、話がひと段落着いたのだろう。

「どうやら、魂のコピーがどこかに残っていて、死んだ状態になった魂に生きている状態上書きしているみたいでね」

「全部消滅させたはずなんだけどなぁ」

「残ってるからこんなことになっているんだろう?自分に関係する記録でもかき集めてきて探してみな」

 リベルの魂のコピー、なんか心当たりがあるようなないような。

「もしかして、魂のコピーってこれのこと?」

 アクシーさんがリベルとの契約書(元)を出す。

「そういえば、それも魂のコピーか……。全然気づかなかったよ」

「これを消滅させるってどうするのよ?これ、破いても燃やしてもすぐ直っちゃうんだけど」

「どれ、貸してみろ」

 ファボスが様子見とばかりに契約書を手に取る。

「それ、筋力じゃどうにもならない奴ですよ?」

「ふむ、この程度で、今の状態なら行けるな。ぬうぅうぅぅぅん!!!!」

 ファボスは契約書をどうするのかと思ったら思いっきり握りしめ始めた。しばらく見ていると、徐々に煙が上がり始め、ファボスが手を開いた時には完全に消滅していた。

「今、この場にいる者のこの紙きれを消滅させたいという望みの力を集めて思いっきりぶち込んでやった、俺の力は破壊を望む者が多ければ多いほど、より強くなるからな」

 とんでもないですね。これで魂のコピーがなくなったし、リベルも殺せるのではないでしょうか。

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