テロリカ6

 思い返してみると、短い生涯ろくなことがありませんでしたね。もし、私をいじめてたやつらが不死者になってたらきっちり殺してあげないといけませんね。あ、定年の時期と不死者が討伐対象になる時期を考えたら私には無理か。うーん残念ですね。

 封印も済んだし、思い出にも浸った。そろそろリベルが復活しているころだと思うので、村に帰りましょう。


 村に戻ると、リベルは復活しており、ファボスと歴史書を読んでいた。

「お帰りテロリカ、意外と君は悲惨な人生を送ってきたんだね」

「なんで、そこにそれがあるんですか!?おかしいでしょ、それ今封印してきたんですけど!?」

「封印しても無駄だよ、僕はその程度の封印関係なく本を呼び出せるし、そもそも、僕は存在する本ならばいくらでも複製を作り出せるしね」

 思っていたよりもずっと規格外だったようです。ていうか、もう読まれてしまっていたとは、仕方ないですね。

「読まれてしまったものは仕方ありませんが、何か私のことはわかりましたか」

「君が相当悲惨な人生を送ってきたってことはわかったけど、いまいちだね。他には、君が死神に救われたってことぐらいかな」

「え、死神に?私が死神に救われたんですか?」

「覚えてないのかい?君が十歳ぐらいのときぐらいから君のところに来ていたと記録にはあったんだけど。まぁ死神は普通は見えないはずだけど、君は会話していただろう?覚えていないのかい?」

 十歳ぐらいの頃に私の元に現れたといえば、妄想から生まれた怪しいおじさんだろうか、彼は死神だったのか。

「私が死んだときにいたあの人って死神だったんですか」

「気づいていなかったのかい?」

「妄想の友達だと思ってましたよ」

「まぁ、普通の人間は死神の存在を知らないから仕方ないか、死神になってからもそう思い続けているのはどうかと思うけど」

「仕方なかったんですよ、当時の私はそれどころじゃなかったんですから、リベルにわかりますか?死にたくなるほど苦しかったんですよ、あの時の私は。そんな時にあの人が死神だったんだなぁとか気にしてる余裕ありませんでしたし」

 ああ、あの人は今更ながらだけど、死神だったんだ。

「その死神の人、名前とかわかりますか?今度冥界に帰った時にでも、お礼をしに行こうと思うんですよ」

「うーん、それは無理だな。彼はもう定年して転生している年だね。丁度、君が最後の仕事だったみたいだ」

「そうなんですか、ちょっと残念ですね」

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