不死者狩り4

考えてもわからないことは考えてもどうにもならないので、気にせずうちに帰ります。当然、帰りも迷いました。不死者狩りはエリート集団というのならば案内ぐらい付けてほしいんですけど。普通のエリートな死神は迷子なんかにならないのか。

それにしてもなんで、私が不死者狩りなんかに配属されたんでしょうか。頭も大して良くない、能力も並、人生経験だって他の死神に比べたら六分の一ぐらいしかない。特別なところなんて、若いぐらいの物だろう。若さで選ばれたのだろうか。死んでしまえば若くても年とってても同じだと思うのだけど。これ以上年はとらないし、身体能力も性別や年齢に拠らないらしいし。見た目が若いことの利点は、相手が油断するぐらいでしょうか。

戦闘が多い不死者狩りだからこそ、見た目が若い私が配属されたのでしょうか。それ以外に思い当たる理由はないですね。見た目だけで配属が決まったならば、最初の任務でリベルを当てられ、道具の使い方を学べるように配慮されていたのであれば、次に来る任務はおそらく戦闘経験を積める物でしょう。

考えながらうろうろしていたら、やっと出入り口にたどり着き、家に帰ろうと思っていたら、受付の人に呼び止められてしまいました。死神しかいないはずなのに、なんで受付があるんだろう。

「テロリカさんですね、新しい任務があるそうなので、不死者狩りの部屋までくるようにとのことです」

 新しい任務入るの早くないですか。さっきまで、と言っても数時間前ですが、さっきまでその部屋にいて、迷いに迷って今やっとその部屋から戻ってきたところなんですけど。

またその部屋に向かうとなると、絶対にまた迷いますよ。呼び出しを受けて、また数時間後とかになってしまうのはさすがにまずいと思うんですよね。ちなみに最初の時は三時間ほどかかりました。

「すみませんが、案内してもらえますか?」

 言い出すのは少し恥ずかしかったですが、すぐに目的の部屋にたどり着くにはこれしかなかったと思います。

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