勝負7
勝負の内容、契約の神様が決めた勝負なのだから至極公平な物なんだろう。
「二人が勝負する内容はやな、公平に料理対決や!」
「料理って、全然公平じゃないですよ!リベルは料理が上手なんですよ?」
「大丈夫やって、それもぜーんぶ考えて決めたんやから」
信用ならない。
「大丈夫だよ、性格はこうでも契約の神として公平を約束している以上、この勝負は五分五分。運すらも考慮された上で公平なんだろう。一応、参考までに聞いておくけど、料理をしたことは?」
「ないです」
料理経験は皆無、ていうか、料理をしているのを見るのも先日リベルが朝食を作っていたのを見たのが初めてです。
「どれだけ疑わしかろうが、公平なんだ。まぁなんだ、今回の話は諦めてくれ」
リベルは自分に有利な勝負だと思っているので、余裕っぽい。
「公平やで?公平にしとる基準はいろいろあるけどなぁ」
実際、公平であろうがなかろうが、抗議できないことには変わりない。
「双方、納得いったようやな?じゃあ始めるで?ステージオープン!」
納得いってないんですけど。舞台の両端が開き、地面からキッチンがせり出してきた。
この舞台、とんでもないギミック仕込まれてるんですね。
「ルールを簡単に説明するで、二人が作った料理を審査員が食べて、食べ始めてからより早く、食べ終えた方の勝ち。それだけやな。シンプルなルールやね」
普通の料理対決に見えて、少しルールがおかしいですね。おいしかった方の勝ちとかじゃないんですかね?
「ただーし、少なく作っても量はうちがおんなじぐらいに増やしてまうからな?ズルはできんで?」
少なく作る作戦も無理ですか。
「ルールも理解したところで、調理開始や!」
どこからともなく、開始を告げる音が鳴る。
調理開始も何も、私、全く料理ってことをしたことがないので、何をどうしていいかすらわからないんですけど?
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