試行錯誤6

 帰ってきたリベルは家に入るなり爆発した。

 資料の中にはぶっ飛んだ効果を持つ道具も多々存在しており、私が用意しておいたものは、悪魔の力に反応して爆発する結界を張るという道具「対悪魔用爆殺結界」。正直、爆発の威力をなめていましたね。まさか肉体の原型を残さず体内から爆発するとは。

 しばらくして肉体を再生したリベルは状況を理解できていないようで、何事かと聞いてくる。

「今から、基本的な方法であなたを殺してみます。たぶん死なないと思いますが、できれば死んでください」

「基本的な方法って、そこに並んでるそれかい?死神っていうのはどこからそんな伝説級の魔導具を持ってくるんだ」

「なんでも、かつての持ち主が死んで魂を回収される際についでに回収してくるんだとか」

 現世に置いたままだと危険なものとかありますからね。

「まずは、銀の武器から試してみますか」


 それからリベルに対する虐殺といっても差し支えないような残酷な実験は数時間に及んだ。実験中、リベルは何度も死んだが、その度に生き返った。死因によって生き返るまでの時間に差があるようだ。中でも神殺しの武器に破魔の魔石を組み合わせた殺し方が復活までにかかる時間が長く、効果的だった。

逆に銀の武器は死にこそしない物の、触れるだけで火傷のようになり、与える苦痛が多そうだ。これからは銀のナイフを携行しようと思う。


「で、一通り試し終わったわけだけど。本当にリベルって死なないんだね」

「まぁね、簡単に死ねたらわざわざ僕から死神の方に殺してくれなんて言わないよ」

「?、リベルは死神に狙われてるわけじゃなくて、自分から死神に殺してくれって頼んだの?」

「そうだけど、なに?」

「いや、だってさ、もともと死神は不死者を殺さなきゃいけないのに、なんでリベルは自分から殺してくれなんて頼む必要があったのって」

「ああ、それは僕は元々死神が殺さなければならない不死者のリストに載っていないからさ」

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