カメラの世界

ぱるばる

プロローグ

人間というものは記憶に残したいもの、綺麗なもの、心に残るもの

そういうときカメラに収める風習がある。

私もその一人である


カシャッ  〔17:43分:表示〕

写真を確認する

「はぁ、、、」



やっぱりなにかが違う



その¨なにか¨というものはわからないけど違うのは確かなんだよね、、、



さっきまではすごく綺麗な風景だと思ってカメラを準備したけど

いつもこうなるんだよなぁ

「はぁ、、、」二回目のため息が出る


そんな気分が低くなってる時に後ろから声をかけられた


「あれ?神崎さん?また今日もここで写真撮ってたの?」

「あー忍さん学校お疲れ!そうなの!でもまだ上手く撮れなくて、、、」

そういいながら先ほど撮った写真を見せる

「えー??すごくきれいに撮れてるじゃん!!光の具合とか!」

「ん~でも自分の中でなんか違うんだよねぇ」

「まぁそういう時もあるよ!これはこれでいいと思うけどなぁ?」


そんなポジティブに考えれる忍さんが羨ましい、、、

水樹忍(みずきしのぶ)さんとはクラスの一人で浮いてる私によく話かけてくれる優しい委員長


「忍さんも毎日塾とか大変だよね私はここ帰り道だけど忍さん家反対だし、、」

「そうなのーでもここ必ず通らないとたどり着けないしもう大変」

そう言いながらまだ肌寒い時期だというのに少し汗ばんでる身体

それを必死に手で扇いでいる忍さん、、、、


ルックスもとても綺麗でそんな姿をカメラに収めたいと思ってしまう私を勘付いたのか忍さんは一声漏らし話を始めた

「じゃあ私もう行かなきゃ、、もうこの時間帯になるとすぐ暗くなるから帰り道とか気を付けてね?」

「それは忍さんもね」

あーそれもそうかだなんて笑う忍さんと手を振り別れを告げる

忍さんは自転車で塾に向かう途中だったためすぐに遠くまで行ってしまった反面

私はこの場所から徒歩三分の家にむかってのんびり歩く

綺麗な夕日を見ながら帰ると今日も一日頑張ったなと思うし

田舎だから周りは田んぼばかり無駄な音がないこの時間が私は大好きなんだと思う


「♪~♪~」


鼻歌を奏でながらのんびり歩いてると少し先に人の姿が見えた 

こっちに向かってきている、私より年下かな?今から歩いて塾に向かってるのかな?


にしても幼いなぁ、、、、、


かわいいお人形さんが歩いてるみたいだなぁ、、、

そんなことを考えてたらすれ違うまでの距離になった

近くで見るともっと幼く見える、、、


この子どこに向かうんだろう?


しかしそんなこと考えつつ私は下を向き目が合わないように

無駄にカメラをいじりはじめさっき撮った写真を見る


やっぱりなにかかちが、、、

「助けて」


耳元でそう聞こえた。


「え?、、」

突然のことで声が出てしまい顔を上にあげる

周りを見渡すと先ほどの少女はいなかった、、、


「、、え?」


違う意味でまた声が出てしまった

今すれ違った少女が消えている、、、いやいやいやいやいや、、


見間違い?今の幻?幽霊?え??え??


頭が混乱すると同時に風が強くなってきた、、寒い、、、

怖くなった私は足早に家に向かう


ガチャ  「ただいまー」


返事は無し 

 

リビングの扉を開けると置手紙とラップされている夜ご飯がおいてあった

【友里へ お母さんはまだこれから仕事だからごはんチンして食べてね】

いつものことだけど今日は家にいてほしかったなぁ

いつも忙しくてあまり家にいないけど

さっきのことを思い出すと寒気がでた、、

食塩でもいいから体にパッパッとふりかける

 

これで大丈夫かな?


それにしてもさっきのは本当に幻とか幽霊とかだったのか?

だって影もあったし足だってちゃんと見えてた

もしかしてなにかのドッキリだったりして、消えてるとか思い込ませて本当は田んぼのなかに落ちちゃったとかそうなもんだよね?そうだよね?

なんて無駄な言い訳を考えても何も解決しないけど人間怖いものを見たり感じたりするとこうやって言い聞かせるんだろうね


「はぁ、、、明るいうちにお風呂入ってごはん食べて早く寝よう」


いつもだったらテレビなんてつけないのだが怖かったのか無意識にテレビをつけてた・・今のこの時間はニュースばかりでも気が楽になった

そのあとはなにをするのも早かったお風呂に入って母が作ってくれたごはんを食べ無駄に騒がしいテレビを見て今日一日撮ったカメラの整理して寝る

場所は決まって自分の部屋だが今日のことがあったせいか

テレビを小音にしリビングで寝ることにしたおかげかすっかり恐怖はなくなってた

そうあれはあの少女のいたずらだったんだ

きっと脅かしたかったんだ

そうあの少女の今時の子供たちの遊びだったんだ

そんなこと考えていたら寝つきが悪い私は今日はなぜかすぐ眠りについてた

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