第4話 ――私の心音が跳ね上がる。
次の日の朝――私は寝床から起き上がるなり、
――ひょっとして
そう思い、静かな期待の中、パソコンを起動し、
そして――落胆した。
★は依然として、0のまま。
寝ている間に――★が付く。
そんなのは、幻想だった。
おまえの幻想を――ぶち壊すッッ!
そんな言葉が、頭の中でリフレインした。
レールガンをぶちこんでおいた。
――くだらない妄想は置いておくとして……
読者に深夜組が居るとか言うのは……嘘だったか……
しょぼくれながら……仕方なく、他の作家の作品を巡り歩く。
しかし――他の作家の作品――ではなく、
まっさきに他の作家の★の数に、目が行ってしまう自分が居た……
★3
★5
★1
……気が滅入る
★3
★18
――ッ!?
★18だとっ!?
自分の作品と見比べる……
オレの作品じゃ無く、なぜコイツの作品がッ……!?
――もはやコイツ呼ばわりも厭わない。
その★18の作品を――おそるおそるクリックして――読む。
俺の手からは、★なんか1つたりとも絶対に付けてやらない――と心に決めて。
――読む。
本当はPVも付けたくないのだが、それでも読まなければ始まらない。
――流し読みだが、読み終えた。
おも、しろ、い……
いや、よく読めば、登場キャラもプロットも――単純ッ
どうせ電○かスーパー○ッシュかガ○ガとかそのあたりの作品の劣化パクリだッ
――俺の作品の方が、オモシロイッ!
読んで貰えれば、読んで貰えさえすればッ
――しかし、
ハロー効果。そんな言葉も聞いたことがある。
本当にオモシロイ作品なんて、世の中にどれだけある……?
オマエの部屋の本棚の中に、本当にオモシロかった作品が、どれだけある……?
頭の中で何かが囁いた
この世の中はなぁ……オモシロイorオモシロクナイ……で決まるんじゃあないんだ
……とにかく一も二にも……目立った方が、勝ちなのさ……
本当にオモシロイ本は、図書館の奥の奥のそのまた隅っこで……誰にも顧みられること無く、ホコリをかぶってるだけなのさ……
……その証拠に……思い出せ、この前の……芥川賞。
――私の心音が跳ね上がる。
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