第2話 ――さて、そろそろ――私の作品――投稿してみるか。



――さて、そろそろ――私の作品――投稿してみるか




カクヨム内の80作品ほどにざっと目を通した私は

いったん読むのを止めて、


カクヨムに来た当初の目的――


――自分の書いた作品を発表する


その実践に取りかかった。



作品選定についてはいろいろ迷った。



時代に望まれる――

新しい作品。


昨今の時代の激変、そしてこれから更に荒れ狂うだろう――時代の波を泳ぎ切り、

読者に親しまれ、楽しまれつつ――あたらしい世界を提示する作品――



――これだ、な。


わたしが選んだのは――



『サヨクくんとネトウヨちゃん』



-------------


今日も今日とて――、

校舎に、街中に、家中に、etc.に、

少年と少女。二人の青春の論戦が響き渡る。


少女「クタバレっ! サヨックぅあ!!」

少年「滅せよッ! ネトッウヨぉァ!!」


――周囲を取り巻く人々は、いつしか二人のことを、こう呼んだ。


『サヨクくんとネトウヨちゃん』



政治、経済、社会、教育、科学、

国家、選挙、軍事、マスコミ、歴史、

家族、生活、日本と世界、

そしてこれからの未来――。

世の中のありとあらゆることを、立場を分かち論争していく二人と――それをとりまく個性的な面々。


常に意見をぶつけ合い、時には激しく罵り合い、たまにはちょっぴり認め合い。


そして――


在る日、在る時、在る場所で――

サヨクの少年は、ネトウヨの少女に、――――恋をした。


-------------



ーーというあらすじの作品である。




サヨクの少年とネトウヨの少女による

あたらしい――青春ラノベ。



――いける。いけるぞ。間違いなくいける。


どこにいけるのかは自分でも分からなかったが

どこかに行けるのだけは――確信していた。



自己レビューも、当初は35文字を大きくオーバーしたがギリギリまで削って書いた。

我ながら中々のレビューが出来た……自己満足か、それもまた良しッ。



そして――ついに――勇気を振り絞りッ……!


――公開っッ!!


押す。


武者震いが――体を走っていく。




それから小一時間ほど。

わたしは他の人が書いた作品を見るのに意識をわざと没頭させて――

自分の★の確認をしなかった。



――確認するのが、怖かったのだ。




もし――★0だったら……


だれにも読まれていなかったら……



しかし、いつかは確認せねばならない。


そして私は――意を決して、小説管理をクリックした――。







――そう、この頃の私も、――純粋だった。

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