RainbowReYlish
甲羅
第一章 KとR
第一部 μ-tant
1枚目 その男、クレサキ
少年は荒廃した世界で、崖の上に立つ男女3人とそれを浮きながら見下ろす黒いフードの男、その姿を見ていた。
「…………まさか、お前が…………だったのか!」
リーゼントに学ラン、長身の男が怒りに任せて言い放つ。
「ハハハ、ハハハハハ、そうだ、俺が…………だ!」
黒いフードを被った男が不気味な高笑いをしながらそう言い返す。
「…………、君を信用してしまった自分が悔しいよ。」
青い帽子に青いジャケット、手には槍を持った男が悲しげにそう言った。
「…………、知ったことじゃねぇなァ!」
「どうしてこんな事を!」
緑色の服を着た少女が言った瞬間、それを傍観していた者の世界が反転する。
サイバー魔術第一学園
「そこはこうやって…………お前らそろそろ真面目に勉強してくれよ。」
青い服を着ている頭脳明晰な少年。彼は教室で成績のあまり良くない少年達に勉強を教えているようだ。
「ダイヤ、俺は俺なりに努力してんだ、分かってくれや。」
と、青い服の少年、ダイヤに言ったのはリーゼントと学ランがトレードマークのこの少年。
「めんどくせぇなァ…………」
黒い肌に金髪がトレードマークの彼は現代ヤンキー風の少年といったところか。
「はぁ…………大丈夫?」
茶髪の背が低い女の子。グループの紅一点だ。
この4人はこのクラスで一番個性的なメンバーが集まったグループだろう。
「
「はいはい。」
リーフが小さくため息をついた時にチャイムが鳴り響き、教師が教室に入ってきた。
「えー、では新しい仲間の紹介をします。」
そう教師が言うとジャージを着た白髪アシンメトリーという少年が入ってきた。
「私はリヴェだ。よろしくなり。好きな食べものはネーブルなり。」
「なんかかわいくな~い?」
「え~? でもなんかあいつ髪キモくね?」
「じゃあキモかわいいんじゃね?」
「キモいだけっしょ~」
ギャルが騒ぐ。内容がおかしいように感じるが無理もない、私服で来ている連中が多い中、ジャージという選択肢だけならまだしも無駄に髪の毛を決めている。加えて「~なり」というサムライ口調。この抜けた感じをかわいいと感じるギャルとそうでないギャルがいるのだろう。
「では、
「よろしくな!」
「なり!」
と、リヴェも無邪気に相槌を返した。
「さて、このクラスの生徒にテスト問題の入ったチップを盗んだ奴がいる。誰だ?」
チップ。この世界のUSB、といったところだろう。
「…………………………」
白いジャケットを着た少年が黙って様子を見ている。
「ダイヤ、お前だろ?」
「いや、僕じゃない。」
5人くらいにそういうやりとりをした所で、
「サイオシーだ…………わかってるんだよ。」
白いジャケットを着た青年がそう言い放った!
「ご名答。」
指を差された緑のマスクをかぶった男はこう答え、チップをポケットから出した。
「というわけだ。」
「だがお前、どうしてわかった?」
「簡単な話だ。アイツの動きが怪しかったから見ていた。」
「やっぱり
「俺にはそれしかない。」
「ほんとアイツだけは相手に回すの嫌や。」
「なんだかんだ仲いい奴らは徹底的に守りよるけどな!あー腹立つ!」
などといった愚痴が聞こえる。が、
「はいやめ!授業を始めるぞ!」
と、すぐに授業に入っていった。
そしてその日の12時、2つ目の授業の後、クレサキと理典、ダイヤは屋上にいた。
実はクラス内では先ほどの4人にクレサキが加わった5人で行動する事が多い。
が、クレサキはたまに外をふらついて自販機を探す事がある。また、リーフはお昼は別のクラスの友人と一緒に食べる事が多く、ベンジャミンはいつもこの時間はトレーニングをしている。
「それにしても
「まぁな。」
賞賛するダイヤに、コーラを飲みながら話すクレサキ。そういうダイヤも何故かかき氷を作っている。
「それにしても、お前のその洞察力はどうやってつけたんだ?」
と聞く理典も、その手にあるのは少年漫画と何故かカメラ。
「すまない、その話はやめてくれ。それよりあのリヴェって奴、明らかに何かありそうだし奴の名前を反対から読むと…………」
ZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
突然の警報に驚きを隠せない3人。
「ただ今学校の西校舎内に怪しい怪物を3体発見。直ちに非難せよ!」
その放送を聞いた理典は西校舎についての話を切り出そうとする。
「たしか西校舎は工学部の・・・・ってあれ?どこにいったんだ!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます