「在る」を伝えて

絹奈すはる

 

自分の存在を誇示し続けたいのか

ただそこに居たいだけなのか

柘榴色の光は闇夜の果てで

今日も弱々しく揺れ動く


だれか

だれか伝えて

だれかあの人に教えてあげてください

あの人は

あの人は逝ってしまいました

あの人はもうこの世には居られないのです


数百年も彷徨って

やっと知り得るムゲンの闇

あの人は未だ

自分に何が起こっているのか気づいていない


生きることの幸せなんて何処に在るのだろう

光の中か

闇の奥底か

それとも

無知の向こう側か


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「在る」を伝えて 絹奈すはる @chinnens

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ