怪物のような夜空

@double-bind

第1話

闇色の空に、無数の鳥の羽音がする。


息苦しく、空を見上げる。


胸のつまるような感覚は癒されない。


呼吸すら間々ならず、


ただ闇の中で、鳥の羽音を聞く


いくつもの夜を


鳥たちは乗り越えていく


人である自身はただ地の上で


羽ばたきたいと、空を見上げ続ける。



闇は鳥たちの翼をその色に染めて


彼らは

巨大な生命体のように黒く蠢く


また悪夢が繰り返される


肺の中には闇色の羽が、沢山つまっていく


見上げれば、彼らの羽音とその抜羽に

ただ溺れ


闇色の空に、吸い込まれる

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