私、動け…ない。まだ生まれたばかり

転生してから、1週間が経った。いや、この世界の1週間が7日なのかはまだわからないので、7日経ったと言うべきだろう。


馬鹿な私としては3言語目を覚えることが出来るか不安だったが、あの野ろ…神様のお陰か、言語が日本語と同じだった。やればできるんだな神様。


生活の質として言うと、やはりといっていいのか、部屋の窓から見せてもらったのは中世ヨーロッパ風の景色だったのでそのぐらいなのだろう。この部屋に電気器具がないことからもそう言える。テンプレだな。


テンプレと言えば私の立場もそうと言えるだろう。私は第三王子らしい。王族というだけあって暮らしは思いの外快適だ。しかし、しかしだ。私の今生の目標は料理家になることである。このままだと無理じゃね?あの野郎(神様)使えねえな。


ちなみに私の口調がわるくなっている気がする人がいるかもしれないが、考える言葉と実際に出す言葉が一致しないのは普通だと言えないだろうか?


私の世話をしてくれている者達として主に3人が上げられる。母が死ぬときに居合わせた3人だ。まずは少年のレイス。後、侍女のセレナと乳母のクレランだ。ただレイスは貴族なのか他の者から様付けで呼ばれている。精神年齢は上だが年齢は下、更に立場は上という面倒な状況なので呼び方に困りそうだ。まだ喋れないが。


少し悩んでいることがある。現在私はベットで横になっている。この部屋にいるのは見た目私を抜いて先の3人なのだが、感じる気配としては5人なのだ。後ふたり2人は隠れている。それが敵なのか味方なのか、それとも中立なのかがわからない。かと言って生後1週間の私が対処するわけにも行かない。だから緊張した毎日を過ごしている。


と、今思っただが、なぜ2人の気配に気付いたのだろう?


それについて考えていると、視界の右下に『メールを受信しました』と表示された。うん?これって……


思い当たることがあり、右腕を上に向けて小さく下にスライドする。と、乳母のクレランに持ち上げられて、にっこりあやされた。違う!構って欲しいわけではない!!


なんて思いつつもにっこり笑い返しながら、確認すると見慣れたメニューが表示されている。


 ……あーね。これ《EO》のメニューだ。一応確認してみるけどステータス…やっぱりあの頃のままだ。テンプレだな。ここまでテンプレだとまだあの馬鹿(神様)が見ているのではないか?


 するとまた右下に『メールを受信しました』と表示された。


 メールボックスを開くと2通未読のメールがあって1通は友人から、もう1通は神様からになっていた。


 『やっほ~!落ち着いたかな?君を生き返らせた神様だよ\(^Δ^)/

  君は少しメタ発言が多いいぞ?そんな君に1つお知らせ。さっき主様に呼ばれたと思ったら仕事をいっぱい押し付けられちゃった(涙)。だからボクの加護もここまで。ついでに言うとそこの世界の管轄も離されたから、もう会うことはないね。バイバイ(@^^)/~~~

  PS.そうそう、今まで付与した分はそのまま残して上から隠ぺいをかけておくよ。臭いものには…じゃなかった、ボクからお詫びの印だと思っていいよ。』


 私は、即行にそのメールをゴミ箱に捨てた。

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