第4話 CVAの歴史 2

 CVAを使うものにはVital-Ability(バイタルアビリティ)という特殊スキルがある。これは身体能力上昇の副産物的なものであり、特殊な感覚が得られたり、身体能力の部分的な強化ができたりと様々ある。


 だいたいのものはデータとして保存するために固有の名前がついており、レア度が割り振られている。


 最後にCVAの携帯と発動についてだが、携帯するのは簡単である。大体はアクセサリー化させて見につけており、そして本人の意思により簡単に発動できる。


 しかし、だいたいのクリエイターは初めてのときはそう簡単にいかないので、心の中や声に出して『創造(クリエイト)』と唱え強くイメージすることで発動に慣れてくると言われている。


 上級者になれば、頭でイメージすれば瞬間的に発動できるが、敢えて『創造(クリエイト)』と強く念じ発動する上級者が多いのも人間がジンクスや習慣というものを昔から重要視してきたからなのだろうか。


 以上様々な歴史はあったが、クリエイターでない普通の人にとって現代のCVAは、創造した武器でルールに基づいて戦うスポーツである。というのが、2120年の一般人のCVAの認識である。


 CVAという科学兵器は人間の本質、心を映し出す鏡のようなものであり、その本質をどのように自分でとらえ、創造していくかが鍵になっているだろう。その本質をとらえ想像と創造のギャップを限りなくゼロに近づけたとき更なる発展が見込まれるのではないのか? 

 

 人間は昔からあらゆるものを必要に応じて創造してきた。我々はその人間の創造力を一度じっくり振り返って、より高みの次元に進化させるためにCVAという兵器を偶然生み出せたのではないか? むしろこれは必然かもしれない。


 上記の通り、CVAは非常に多くのことが解析され考えられているが、開発から70年経つ現時点でさえ全貌が分かっておらず、いまだに未知にあふれた兵器である――。  



 Q&Aコーナー クリエイターでない人のよくある疑問に答えます!!



 Q1 CVAは科学兵器と定義づけられていますが化学兵器とはどのようにちがうのですか? (熊本県 16歳 女性)


 A1 毒ガスなどの毒性化学物質を使い人や動物に対して被害を与えるために使われる兵器のことを化学兵器と言います。

 しかし、昔は科学兵器は核兵器、生物兵器、科学兵器の総称だったけれど、CVAができてからはCVAが科学兵器であとはその他って感じですかね。参考になれば幸いです。



 Q2 あんなにはやく動いて目が回らないんですか? (北海道 12歳 女性)


 A2 CVA適正が分かって実際に武器を創って、創造者クリエイターになったばかりはだいたいその感覚の違いに驚き嘔吐おうとすることが多いです。 なかには、一週間腹痛、頭痛、腰痛、肩こりに襲われたりと幼少期にクリエイターになった子は苦労したってよく聞きます。慣れると全然平気なんですが。便利なチカラだけどそれなりに苦労してるのです。



 Q3 今度大会みにいくね! たのしみにしてます! (東京都 7歳 女性)

 

 A3 ちゅうけいでみるのと生では、はくりょくがちがいますからね! ぜひ、たのしんでいってください!




 (なんかページ最後のQ&Aコーナーの回答者ちょっと、偏り過ぎじゃないか? てか、7歳の子これ報告だろ! 質問じゃないし!)

 

 などと、歩がページを流し読みしている間に授業は終了する。




 そして、今日の全ての授業が終わり放課後となった。


「歩、飯行こうぜ! 学食は人気らしいからな。早く行かないと席なくなるぜ?」


「え? 放課後なのに? というか、この学校は学食もすごいのか。ほんとにとんでもないな。それじゃ、行きますか」


 二人はそのまま教室を出て行き食堂へと向かう。



「おい、歩。何食べる?」


「うーん、てかここメニューあり過ぎじゃない? 迷うなぁ。オムライスにするか」


「俺の方は肉うどんだ! 肉とうどん最強の組み合わせだな!」


 そして、注文した品を受け取って席につく。それからは二人で学校生活について振り返るのだった。


「てか、あれな。今週一週間座学とかマジできついな。はやく演習やりたいぜー。人間そんなごちゃごちゃ考えず、思うままに動けばいいんだよ!」


「相変わらず脳筋だな。まぁ確かにその方がストレスなく試合できそうでいいけど」


「だろ? だから最低限のこと知ってあとは実践あるのみだぜ!」


「普通はそう考えるよね。でもクリエイターなんだからちゃんと創造力養わないと後悔するよ?」


「そんときはそんときだ!」


 食事をとり、帰ろうとするとき歩は雪時にある提案をした。


「よし、今日こそ案内してくれよ雪時」


「あぁいいぜ。行きたい場所とかあるのか?」


「とりあえず、昔暮らしてたところには行きたいかな」


「うし、じゃあそのあとは俺のおすすめのクレープ屋紹介するぜ! 機械にはだせないうまいクレープ屋があるんだぜ!」


「男二人でクレープか。ハードル高いな……」


 少し顔をしかめたものの実際は行くのが楽しみで、歩は頰が少しだけ緩んでいた。



 そして、電車に乗り移動する。行き先は浅草。今も日本の古さが残っていて、この時代でも人気のある場所だ。


「おぉ、ここに住んでたのか歩は」


 そう雪時が質問したが、すぐに返事はなかった。歩はどこか懐かしくも哀しい表情をしていたのだった。


「あ、あぁそうなんだよ! いやー懐かしいよ。子供の頃はここでよく遊んでたからな。ここは見れただけでいいよ。次はおすすめの場所連れて行ってくれよ!」


「お、もういいのか? じゃあいくか! いい店連れて行ってやるぜ!」


 それから二人でぶらぶらしていると日が暮れてきた。



「いやー、楽しかったぜ。サンキュな雪時。」

「お易い御用だぜこんなことは! また行こうぜ!」


 雪時はそう言うと白い歯をみせながらさわやかに笑った。


「男色家なのか?」

「ちげーよ!」


 二人はそのまま笑いながら歩いていく。

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