切れる音の怖さと駆けてゆく僕

近いと感じていたものが遠くに感じた時

手繰り寄せようと 必死になる自分に気が付いた


手元から無くなる事が こんなにも怖いと感じる

後悔を感じるなんて自分の心だというのに 理解など出来なかった


その糸張りつめてゆく音

その音が軋む そしてそれは少しずつ切れてゆく音と変化する


それでも僕は必死に手繰り寄せようとする

手繰り寄せるしか方法が無いと思っていた


それは違った事に糸の繊維一本が

今にも切れそうな感覚ので 繋がっている時に気がついた


僕自身が踏み出せば それだけで良かった事を

当たり前の感覚から探し出す事が

こんなにも困難だったとは気が付かなかった


格好つけの僕が走り出す事が格好悪いだなんて思っていたことが

間違いだったんだ


これはとても大切な事 逃げていただけで格好悪いこと

どうにか失わずに済んだ この大切な気持ちを

僕はこんなにも愛おしいと感じていたのだと あらためて知った

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