白き従者と瑠璃の神子
さくのゆず
序
——諦めていた。自分に残された道はこれしかないのだと。
必要不可欠だった才は、天から与えられなかった。
だから俺は、誰よりも努力した。
剣技を、ひたすら覚えた。
どんな才より勝る剣を、磨いた。
己のために。
しかし、貴女に出会ったあの日。
それは貴女の為の力に変わった。
貴女が、俺を救ってくれたのだ。
無垢なその瞳が俺を見つめる度に、心が揺れる。
——ああ。
俺は、貴女に尽くす為に生まれてきたのだと。
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