第一話 再スタート切ってもよろしいでしょうか。
*口調設定が作者内でバグっておりますので前回までと違うことがあります。なるべくそうならないように善処しますが違ったらごめんなさい。もう本当にごめんなさい。以下本編↓
「あぁっ!っつぁーーーー!!もうまじで死ね!クッソ強ぇえんだけどこいつら!なに!?カンスト間際のじじいでこんなに手こずるって、そんなんあるかっ!?ああああ!!もうまじで今回のイベ死ねっ、こんなんだったら堀川とか虎徹兄弟のレベリングやっとくんだった!!!」
「ほんっっっとそれよね!!それには同意よ亜沙比!でも今回のイベ報酬大包平とソハヤノツルキよっ!?やるっきゃないじゃない!課金するしかないじゃない!」
「ふふふ、こーゆーこともあろうかと私、ちゃんと育成してたのよっ、私の部隊に何体極がいると思ってんの!って、喜美、大典田光世ドロってんじゃん!」
「あぁっ!!日本号っ!」
「バカねぇ、直治。今回は夜戦と昼戦兼用部隊が一番汎用性があるのよ?槍は超難の中盤以外使えないわぁ」
「・・・そこの5人、もう授業始まってんだけど」
「「「「「うっせぇ!!大包平がかかってんだよ!!!」」」」」
俺、こと亜沙比京と建頼喜美、望月千代女、本郷直治、納涼清子がそう叫んだ相手は担任である中原四郎だ。
ちなみにやってるゲームは某刀作業ゲー。今回のイベントで普段手に入らない刀が三振り手に入るとあって、俺たちは燃えに燃えていた。だってさ?考えてもみ?普段ドロップもしなければ鍛刀(ガチャみたいなもん)もできないんだぜ?イベントでしか手に入らないとあっちゃあやるしかないでしょ。
と、いうことで。
俺たちはしのぎを削りあっていたわけだ。
だけどどうやら休み時間は終わっていたらしい。
…時が経つのって早いね!
「てめぇら全員廊下立ってろ!!!!」
俺のひたいにチョークをクリーンヒットさせながら中原が怒鳴ったのは倒会議から2週間後の4時間目のことだった。
□□□□
「で、また立たされてたわけか」
「うっせぇな、こちとらレアキャラかかってんだよ」
「相変わらずゲーム好きだなぁ。なんていった、お前が今やってるゲーム」
「刀○乱舞」
「…女子かよ」
「うっせぇ」
昼休み、in食堂。with朝倉、二井八、本郷。
朝倉に笑われながらカレーをかっこむ俺はなんと惨めなことか。結局スマホは没収されちまうし余分な課題は出されるしで散々な目にあった。斜向かいのテーブルに座る建頼以下2人も意気消沈して机に突っ伏してる。いやぁなかなか可哀想な絵面だな。全員顔真っ青だよ。
俺もため息をつきつつスプーンを動かす。隣の本郷も泣きながらラーメンをすすっていた。「日本号…」と小さく呟きつつ。
…どんだけ好きだ、確かにかっこいいけど
まぁ兎にも角にも、ゲームの話が悠々自適にできるくらいには余裕ができてきたこの頃だ。倒会議もなんとか終わったし、クラスにもだいぶ馴染んできた。まぁー言うまでもなくキャラが濃すぎるんで、一時は本気で色々心配だったけど存外なんとかなるもんらしい。
「慣れってのは怖いねぇ…」
「そうだねぇ、亜沙比、小学生の時毎日立たされてたもんな」
「え、そうなの?」
「そうだよ、葉月ちゃん。こいつ何せ忘れ物が多すぎでさ。忘れ物手帳なるものを作ったら一週間ですごいことになったからね」
「てめぇはいつの話してんだ」
しかも慣れは廊下に立たされることじゃない。
相変わらずのことに半目になる。たまたま時間があったから、久しぶりに一緒に飯食おうって教室来たの、誰だよ。しかも覚えてます?朝倉がイケメンだってこと。
…二井八の目線が
まぁそうなるよねー…ハハ…
笑えねぇ。
隣に座らせたのが間違いだったか。何が何でも座ればよかったな、なんで俺の隣に文豪がいんだよ。確かに本それなりに読んでて、逸話とか知ってるんだったらそれなりに嬉しい状況ではあるけどさ。それとこれとはまた違うだろう。
…慣れた、ね……
歴史的偉人ばっかのクラスで一般人の俺が同じ空間にいる。それも歴史嫌いな俺が。考えてみりゃなかなか変な状況だ。つくづく慣れってのは怖いと思う。
隣の正信が背に槍を背負ってたり、望月が足に苦無をつけたベルトしてたりとか、もう慣れた。武器に慣れた。何って、それに一番慣れた。
相変わらずよく話しかけてくる本郷のジャケットの下に時々見える拳銃とかもうちょっとなんて言うの慣れた。
そんなことを思いつつ食べていたらいつのまにかカレーは無くなっていた。食器を下げようと席を立つ。それなりに広い食堂だって、生徒数の多いこの学校だ、席と席の間隔は狭い。
だから俺の肘は後ろに座ってた奴の頭に当たってしまったわけだ。結構盛大に。
「あ、悪い…」
しかも当たった相手は
「…やぁ、亜沙比くん、2週間ぶりかな?うんうん、君はねぇもう少しこの科にいるということを自覚したほうがいい」
「……お久しぶりです、アーサー王」
「そうそう、僕みたいに目上の人間がゴロゴロいるんだから。この学校は」
…あ、ヤッベェ
「まぁこれくらいで腹をたてるのもどうかと思うが…生憎、今僕は機嫌が悪い。運がなかったな」
目が、怖ぇ…本郷がブチ切れた時より怖ぇ…
「少し来てもらおうか。織田よ、僕の代わりに亜沙比を使ってもいいな?」
「…よかろう。
「と、いうことだ。励めよ」
「いや、話が全く見えてこないんですけど」
しかも織田って、まさか
俺がゆっくりとアーサーの前に座る男に目線を移すと、角刈りのえらくガタイのいい生徒がいて、にっこり口元に笑みを浮かべていた。
背中に冷や汗が伝ったのは気のせいじゃない。気のせいであってほしいけど
「後で生徒会室に来い。なんならそこの本郷直治とやらも連れて来て良いぞ」
「なに、するんですか…」
「来週行われる全国統一模試、その問題を盗る。なぁに簡単な仕事だ。捕まれば即退学のな」
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