第三部-第一章 『ア・ブラック・ナチュル』
「何だよ、これ……」
流輝は絶望していた。
ここは流輝のおばさんの家の一室
ここで先程まで簡単な葬式が行われていた。
というのも、おばさんがもしもの時の残しておいた遺言に、仏壇を作って適当にお経をあげるだけの簡単な物でいいと書かれていたからだった。
葬式の費用、準備をしてくれたのはダーレスでだが、参列したのは流輝一人だった。
おばさんにも流輝以外の肉親はいなかったのだ。
ミリアやアリサ達は町の旅館で泊まっている。流輝は明日にも『イカン』の基地に戻る予定だった。
流輝はもちろんのこと悲しかった。
再び、流輝はこの世にただ一人、取り残されてしまったのだ。
悲しくない訳が無い。
しかし、そこまで致命的な傷を負っているのか、と聞かれると、実はそういうわけでもなかった。
その上、絶望している理由はおばさんが死んだからでもない。
時間があったら読もうと思って持って来た『ネクロノミコン』と『アル・アジフ』のせいだった。
「何だよ、これ……」
流輝は適当のページをめくりながら、再度呟く。
この本には、全てが書かれていた。
文字通り、全てである。
『クトゥルフ』『ナイアーラトテップ』『クトゥグア』『ハスター』『イタクァ』『ナイトゴーント』『シャンタク鳥』『シュブ。二グラス』etc……
これにはほとんどが記されていた。
『クトゥルフ神話』の名の下で
「ふざけるなよ……」
久しぶりに怒り狂う流輝
何に怒っているかというと、それはこんな重要な物を今まで隠してきたダーレスに対してだった。
ミリアは知らないと思って間違いないだろう
アリサは新参者、知っている方がおかしい。
なら、隠していたのはダーレス、もしくは『イカン』の人達だけだろう。
とりあえず、怒りがたまりにたまり、誰かに鬱憤を晴らさないことには堪忍袋の緒が切れると思った流輝は、腕の端末を起動させるとミリアとアリサにこの事を話すことにした。
が
「……番号が分かりませんねー……」
基本、一緒にいたのでわざわざ腕の端末を使う意味が無かったのだ。
流輝は二人が止まっている旅館の位置は把握しているので、そこまで行って話すことにした。
「何それ……」
「ボクも同感だ、憤りしか覚えないな、それは」
二人は『ネクロノミコン』と『アル・アジフ』の前でひたすら怒っていた。
話を聞いた直後、アリサは憤りのあまりダーレスのいる『イカン』まで帰って殴り込みに行こうとしていたぐらいだった。
が、二人で何となだめすかして、ようやく落ち着かせたところなのだ。
アリサは怒った顔をしたまま、座り込み、ぶつぶつ文句を言っている。
一方のミリアはどういうわけか渋い顔をすると、机の上に乗っていた煎餅をかじっていた。
「で、どうします?」
流輝がそう訊ねると、アリサが真っ先に応えた。
「殴り込みだー!!」
「「まてぃ!!」」
立ち上がり、いきなり走り出そうとするアリサを二人で両脇を抱え込むようにして抑え込み、何とか座布団の上に座らせる。
再び抑え込まれたアリサは頬を膨らませつつも、大人しくそれに従った。
しかし、文句は言い続ける。
「でもさー、お前ら止めるくせして他に考え出さないんじゃ、拉致あかねぇーぞ」
「だけどさ、殴ってどうするの?」
「そうですな、僕もそう思います」
「じゃ、どうするんだよ」
「何か案を早く決めないとね」
「そうだな」
ミリアとアリサはそう言うと、何か案が無いか考え始める。
アリサは、すぐに考えるのを止めると流輝の方を向いて言った。
「そういえば、さぁ、そんなことよりも」
「あれ?私のいう事そんなこと呼ばわり?」
「流輝はここにいていいのか?」
「あれ?無視?酷いなー」
「うるさいぞ、ミリア」
「しまいにはうるさいって言われた!?」
ミリアはそう叫ぶと、そのまま床に倒れこむと、そのまま動かなくなった。つまり、ふて寝を始めた。
すると、ほどなく寝息をたてはじめた。
どうやら疲れていたらしい。流輝は近くにあった毛布をかけておいてやると、再び座り込む。
アリサはそれを確認すると流輝と話を続ける。
「流輝さ、もう一度言うようだけどさ、こんなとこにいていいのか?」
「それは、どういう意味ですか?」
流輝はここで初めて、質の違う顔のしかめ方をした。
その反応はある意味予想通りだったので、アリサは何のためらいも無く、そのまま悠々自適に話を続けた。
「だってさ、あれでしょ?葬式終わったばかりなのにさ、こんなところに来ていいのって意味なんだけど」
「…………よく、意味が分かりませんねー」
「すっとぼけない」
「……そうですかね」
「そうだって言ってるんだよ、流輝」
アリサはそう強めに言うと、手にした煎餅の先を流輝に向ける。すると、流輝はそれを見ても何も反応を返さず、そのまま煎餅の先を眺め続ける。
「あのさー、ボク達、長い付き合いとは言わないよ」
「……ですね」
「でもさ、一緒に死線くぐったしさ、色々頑張って来たと思うぞ。それに普通の友情じゃ築き上げられないほどの物を築き上げてきたと思う、違うか?」
「そうですね、それはそう思います」
ここは力強く頷く。
それでも、アリサは煎餅の先を向け続け、堂々と話を続ける。
「それでもさ、流輝は敬語を止めないじゃん」
「…………それを言われると、痛いですね」
「そう?全然そう思って無さそうだけど」
「…………」
流輝は気まずそうに目を逸らした。
そこで、アリサは畳み掛けた。
「それで、この葬式での薄情っぷりだ、親のいないボクが言うのもなんだが、肉親の葬式ぐらいもっと悲しめ」
「…………」
「いいか、どうしてそうなったのか、話せ」
「……それは
「反論は許さん」
「んぐっ!?」
流輝は口を開いた瞬間に、口の中に煎餅を突っ込まれた。問答無用だったため、少し驚き思考停止状態に陥ってしまう。
そんな流輝の様子を見てアリサは笑うと言った。
「いいか、それ食ったら話せ」
「…………」
流輝はそれを食い尽くすと、お茶を一口飲み覚悟を決め、話を始めた。
アリスは何も口を挟まないと心に決めると黙って話を聞くことにした。
ミリアは爆睡していた。
「僕が、こうやって人と距離をとるようになった理由は単純です」
「ほう、言い切るね」
「悲しくないからです」
「…………?」
アリサが少し不思議そうに首を曲げる。
流輝はそれを見ても話を止めることなく、淡々と言葉を紡ぐ。
「両親が死んだ事故の時、僕は関しかった。それこそ気が狂うほどまでに」
「それは分かるが?」
「でも、他の人の事は悲しくなかったんです」
「ン、それはどういう意味だ?」
「いいですか、あの事故で何人も死んだんですよ、それなのに僕は他人が死んだことに心の痛みを覚えなかった」
「……?」
今までの人生、周囲に他人しかいなかったアリサには少し難しい例えだったようで、首をひねりつつ考え続ける。
流輝はそれを無視して話を続ける。
今、流輝は自分の世界に入っていた。
「これ以上、苦しくなりたくない、悲しくなりたくない。そう思った僕は、周囲の人を皆、他人として考えることにしたんです」
「あー、つまり何だ?えーと……escape……日本語で―」
「逃避、ですか?」
「そうそう、そんな感じ」
「まぁ、そうかもしれません」
本心ではそうじゃないと思いつつ、流輝はそういう。
しかし、アリサはそれを見破っていた。
「違うって、言いたげな顔だね?」
「…………」
「本当はなんて言いたかったの?言ってみ」
「逃避じゃないです、これは」
「じゃあ、何だよ」
「生きるための知恵です」
「そう言うと聞こえ良いよな」
「…………」
遠慮が一切ないアリサに流輝は少し閉口する。が、そのおかげでココアで喋れているのだと思うと、少しありがたくも思えた。
「それで、人と距離をとるために、こうして敬語とか使っているんですよ」
「あー、そう、大体分かったわ」
「それで……」
「あ、もういい、それ以上聞くと気分悪くなるから」
「……自分から聞いといて、なんですかその言いようは」
「あー、そういうのもいい、本当、興味ない」
少し、イラッときた流輝だったが、ここは堪えることにした。
アリサはつまらなさそうに机に手をつくとそのまま話を始めた。
「あのさ、ボクの客観的な意見を言わせてもらっていいかな」
「いいですよ」
「ぶっちゃけ、意味分かんない」
「はい?」
「いや、本当、ここまで行ってもらってあれだけど、意味分かんないわ」
「…………」
目を丸くして、顎が開いて閉じなくなる。
なんかもう徒労感しか感じられなかった。
が、アリサはそんな流輝を無視して言いたいことをまくしたてる。
「あのさ、ボクの周囲言って他人しかいなかったからさ、誰かが死んでも別に何も感じなかったんだよね、えーと……Cemetery……日本語で―」
「……分かりませんよ」
「えーと、共同便所的な墓」
「共同墓地ですね」
「そうそう、そこに骨が埋められるだけでさ、別に、だからって感じ、そういう意味では流輝のいう事も分かる、うん」
「はぁ」
「でもさ、あれだね、人と距離をとるっていうのは意味分からん」
「そうですか?」
「おぉ、そうよ」
何故か胸を張るアリサ
一方の流輝はアリサの言いたいことがよく分からないので首を傾げる。
「いい、でもさ、ボクは敬語を使ったりしないだろー」
「そうですね」
「何でだと思う?」
「知りませんね」
「単純だ、身内が死ぬ悲しみを知らないからだ」
「……そうですか」
「さぁ、そこでアリサ様のありがたいお言葉だ、心して聞け」
「はい、なんですか?」
「忘れろ」
「え?」
アリサはきっぱりそう言うと、お茶を一口飲み言い放った。
「忘れろ」
「え、でも」
「ボクの知ってる人は、こう言ってた」
「なんです?」
「『忘却こそ、人の最大の生きるための知恵だ』と……」
「それは」
「誰の言葉かは知らないね、でも、それが流輝の一番ピッタリの言葉だと思う」
「…………」
流輝は考え込む。
アリサは残った煎餅をかじりながら、考え込む流輝の事を眺めていた。
一枚、二枚、それだけ食べても流輝は考え続ける、一分、二分と時は過ぎていく。やがて秒針が鳴る音だけが響くようになった。
何分、いや何時間たったかもしれない。
その時、流輝が顔を上げた。
そして、言い放った。
「無理です、僕にとって残った記憶が唯一の思い出だからです」
「でもさ……」
それに縛られていて、自分の人生が無茶苦茶になってもいいのか
アリサはそう言いたかったが、その前に竜輝は口を開いた。
「でも、変わってみるのもいいかもしれませんね」
「でしょでしょ!!」
アリサはそう言い、グイッと身を乗り出す。
流輝は気圧されつつも返事を返す。
「え、えぇ、でもすぐに変えるつもりは……」
「いいよいいよ、気長にやれば」
「ですよね」
「じゃあ、さっそくやろうか」
「え!?」
「さ、普通にあいさつしてみて!!とりあえず、「こんにちは、いい天気だね」って」
「え、えーと」
色々と釈然としないものを感じる流輝だったが、期待と希望に満ちたアリサの目を見ていると、期待に応えなくては、という気持ちになってくる。
なので、恐る恐る口を開いてみる。
「あ、アリサ……」
「ほら、ほら!!」
「こ……
「うーん」
「「!?」」
流輝が言葉を吐こうとした瞬間
ミリアが大きくうめき声をあげた。
そして、のそのそと起き上がると、大きく伸びをした、その後、眼を擦りつつ、寝ぼけ眼のまま「おはよう」と言った。
二人はそれを聞いて固まるが、普通に返事を返す。
「あ、おはよう」
「おはようございます」
「……うん?」
二人の間に微妙な間が空いているのを見て、ミリアは不思議そうに首を傾げると寝ぼけた声のまま訊ねた。
「あれ……なんか、邪魔した?」
「いえ、そんなことは」
「あ、あぁ、そんなこと無いぞ」
「そうかー、ならいいかー」
そう言ってミリアは顔を洗うために洗面台のある部屋へと向かって行った。
何となく、今日が下がれてしまったアリサと流輝は一瞬、顔を見合わせると、きょとんとした顔をお互いに眺め合った。
しかし、それもすぐに終わった。
流輝がいきなり立ち上がると、背伸びをしてから言った。
「じゃあ、僕は帰ります、夕飯の支度もしたいですし」
「お、おぉ」
アリサは少し赤い顔を頷かせると、少し急ぎ足で部屋から出て行った流輝の背中を手を振りつつ見送った。
と、すぐ後にミリアが戻って来た。
そして、部屋を射渡すと言った。
「あれ?流輝は?」
「帰った」
「えー、早すぎ」
「なぁ、ミリア」
「何、そんな怒った顔して」
「タイミング悪すぎ!!」
「へ?」
アリサは思いっきり頬を膨らませると、抗議の意を示してくる。
よく状況の飲み込めていないミリアは、理不尽だと思いつつ、アリサの機嫌を直すことにした。
ところが、気の利いたセリフを思いつけない。
なので、直接聞き出すことにした。
「ねー、アリサ」
「何だよ」
「機嫌、悪いよね」
「あぁ、悪いな」
「どうしたら許してくれる?」
「うぅん?何だ、それ」
「機嫌取り」
「……そうだな」
アリサは少し、考え込むと言った。
「風呂」
「風呂?」
「そう、ここ、小さいけど露天風呂あるでしょ」
「あー、あるねー」
一応、観光客等を泊める旅館、露天風呂の一つや二つ無いとやっていられないのが現実である。
そういう事で、ここにも小さな露天風呂が付いている。
アリサはそこに行きたいと言ってるのだ。
というわけで、二人は露天風呂に向かうことになった。
「いやー、いいねー、ミリア」
「……アリサ」
「んだよ」
「おっさん臭い」
「ありがとう」
「褒め言葉じゃない」
「あ、そうか」
「「ハハハハハハ」」
二人は盛大に笑う。
他に客がいないので気兼ねすることなく笑えた。
「いや、笑うとこじゃないから」
「何だよミリア、お前も笑ってたじゃないか」
「まぁ、そうだけど……」
ミリアはそう言うと、より一層深く湯船に入る。
露天風呂は嫌いじゃないが、出るとき寒いし、素肌を外にさらすことに少し抵抗があると言えばうそでは無い。
アリサはまるでおっさんがするように全身を大きく伸ばしながら、体を預けるとそのまま思いっきりリラックスさせる。
完全に楽しんでいた。
「アリサ、そんな楽しい?」
「おぅ、日本に来たらやってみたかったことの一つだな」
「へー」
「今度はアイドルのライブに行きたいんだよ」
「突然趣旨が変わったな!!」
「ほら、神楽坂琴音って学生アイドル、知らない?」
「いや、全然」
「へー、有名なのに」
「何でアリサは知ってるの?」
「職員の一人がファンだったんだよ」
「ふーん」
「ほら、『すれ違い狂想曲』って、知らない」
「あ、あのCMソングの」
「そうそう」
そんな普通の世間話をしていた二人だった、何となく話が合うのか、二人とも心から楽しんで会話を続けていた。
が、一瞬、会話が途切れた時にアリサがこう切り出した。
「ところでミリア、一ついいか?」
「うん、何でも聞いてよ」
「ミリアって流輝の事、好きなの?」
「……え?」
ミリアが固まる。
完全にニューロンが焼き付いて機能しなくなる。
数秒後
「うわぁ!!」
とか何とか叫んで鼻まで湯船に浸かる。
そのままブクブクと息をしながら、顔を真っ赤にすると、ジトーッとアリサの事を恨めしそうに見つめる。
その視線を受けるも、アリサは涼しい顔をして湯を堪能している。
と、ミリアに向かって行った。
「のぼせた?」
「あんたのせいだ!!」
ミリアはそう叫びつつ、立ち上がる。
も、少し肌寒く感じたのですぐ湯船に浸かる。
アリサはそんなミリアを見て笑って言った。
「ハハハハハ、冗談冗談」
「冗談に聞こえないんだよ!!」
「で、実際のところどうなの?」
「え、何が?」
「流輝の事、好きなの?」
「――ッ!!」
ミリアは再び顔を真っ赤にする。
も、腕を組み考え込む。
アリサが温かい目で眺める中、ゆっくりと口を開いて言った。
「……分かんない、かな」
「予想通りだけど、何で?」
「うーん」
ミリアは再び考え込む
実は、アリサは答えを知っていた。
知っていたというよりは、簡単に想像が対句のだ。自分がそうだから、というわけでは無く、ただ、何となく。
なので、なかなか言葉を見つけることができないミリアに痺れを切らし、アリサは口を開く。
「あれだろ、ミリア、驚くほど距離間を感じる」
「あー、あー、そうそう!!まさにそんな感じ!!」
「イエィ!!」
「イエィ!?」
困惑しつつも、二人はハイタッチをする。
が、寒いのですぐに湯船に戻る。
そして、アリサが話しはじめる。
「やっぱりそうか」
「うん、そうなんだよね、だからすごく難しいんだよね」
「分かる分かる」
「本当、普通に話していてもさ、距離間がすごいからよく分からないんだよね、私の気持ちも、流輝の気持ちも」
「うんうん、本当によく分かる」
「分かってくれるかー」
二人はそう頷きあう。
パッと見、すごくおかしな図だったが、保管に客がいないため二人はしばらく頷きあっていた。
頷くにも飽きた頃、ミリアがいやらしい笑みを浮かべると反撃に出た。
「ところでアリサ?」
「何だよ」
「アリサはどうなの?流輝の事、好き?」
「あぁそうだな、好きだぞ、うん」
あまりにもあっさりと言う者だから、ミリアは脳内処理に失敗し、笑顔のまま固まることになってしまった。
アリサはどうしてミリアが固まっているのか理解できていないので、きょとんとした顔をすると、首を傾げる。
「何だよ、そんなに意外か?」
「いや、全然」
「じゃあ何で固まるんだよ、ゴーゴンでもいたか?」
「いないです、はい」
「何で敬語なんだよ」
「いや、思いの外、あっさりと答えたから」
「あぁ、何だそんなことか」
アリサは納得すると口を開く。
ミリアはアリサが何か話そうとしていることに気付くと座りなおして聞く姿勢を整える。
「あのさ、ボクは深く考えるの苦手なんだよ」
「あ、うん」
「だからさ、言うならきっぱりとって決めてるんだよね」
「男前…………」
「全然嬉しくないんだけど」
「ごめん」
二人はその後、話が途切れてしまったのでのんびりと風呂に浸かっていたが、少しの簿出てきたので上がることにした。
風呂から出て脱衣所に向かい、手早く着替えると部屋に戻って行く。
その途中で、アリサが言った。
「ミリアって、意外と胸小さいな」
「な……なぁっ!?」
「B?」
「うるさい!!」
「私はD」
「死ね」
「嫌だ」
なんだかんだ仲のいい二人だった。
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